“脾腹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひばら97.8%
ひはら2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
捨身の庖丁にしたたか胸を刺されて、一人がだあっとふすまもろ共倒れる。その脇から、残った一人が短刀を抜きざま正吉の脾腹ひばらへひと突き
お美津簪 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さっと立ち上がると、懐中奥深く忍ばしていたドスを抜き払って、名人の脾腹ひばら目がけながら突き刺しました。と見えたのは一瞬です。
冬子も恩人の危険を見てはられぬ、這いながら一人いちにんの足に絡み付くと、𤢖は鉄のような爪先で強く蹴放けはなしたので、彼女かれ脾腹ひはらいためたのであろう、一旦は気を失って倒れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
段々中二階の方へくから、孝助はいよ/\源次郎に違いなしとやりすごし、戸の隙間すきまから脇腹を狙って、物をも云わず、力に任せて繰出くりだす槍先はあやまたず、プツリッと脾腹ひはらへ掛けて突きとおす。