“ぬか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヌカ
語句割合
37.3%
28.6%
17.8%
泥濘5.6%
3.1%
2.4%
1.7%
0.7%
0.7%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
糠粃0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の言葉によると、彼ほどの誠をもって、その若く美しい女の霊前にぬかずいたものは、彼以外にほとんどあるまいという話であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
折角智慧を紋つたぬかしをりも、夜道ではあまり役に立たず、そのうちに空ツ風が吹いて、明日をも待たずに吹き飛ばされて了つたのです。
肥満ふとっちょのお三どんが、ぶっちょう面をしゃあがって、旦那様とか、先生とかお言いなさい、御近所へ聞えます、とぬかしただろうじゃねえか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これはうれしい。はだの細かな赤土が泥濘ぬかりもせず干乾ひからびもせず、ねっとりとして日の色を含んだ景色けしきほどありがたいものはない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この辺はいわゆる山の手の赤土で、少しでも雨が降ると下駄の歯を吸い落すほどにぬかる。暗さは暗し、靴はかかとを深く土に据えつけて容易たやすくは動かぬ。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
尋常よのつねの犬なりせば、その場に腰をもぬかすべきに。月丸は原来心たけき犬なれば、そのまま虎にくってかかり、おめき叫んで暫時しばしがほどは、力の限りたたかひしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その上軌道レールの上はとにかく、両側はすこぶるぬかっている。それだのに初さんはちゅうぱらでずんずん行く。自分も負けない気でずんずん行く。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「俺は立ち會はない方がよからう。——ぬかりもあるまいがこいつは久吉の命にかゝはることだ。隱宅を飛び出してから四半刻(三十分)の間、どこにゐたか、そいつを訊くんだぜ」
例えば室内に刀掛かたなかけがあり、寝床ベッドには日本流の木の枕があり、湯殿ゆどのにはぬかを入れた糟袋があり、食物もつとめて日本調理のふうにしてはし茶椀なども日本の物に似て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
吐露ぬかすとんだ才六めだ錢を貸すかさぬはかくも汝の口から馬鹿八とは何のことだ今一言ひとことぬかしたら腮骨あごぼね蹴放けはなすぞ誰だと思ふ途方とはうもねへと云へば切首きりくびは眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何だやかましい贅言たはごと云ずと此おれを叔父だとぬかせばすむ事だとのゝしる聲の耳にいり九郎兵衞は不※目をさまし猶も樣子を打聞うちきくわびる一人の女の聲扨は我今ねぶりし中惡物わるもの共がお里を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ツて、大きな声でぬかして居やがつたつけ。何でも酒を余程飲んで居た風だつた
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
せめては令見みせしめの為にも折々くぎを刺して、再び那奴しやつはがいべしめざらんにかずと、昨日きのふは貫一のぬからず厳談せよと代理を命ぜられてその家に向ひしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
岸には大八車にべか車、荷駄にだの馬、負子おいこなどが身動きもならぬ程に押合いへし合い、川の岸には山と積上げられた灘の酒、堺の酢、岸和田の新綿、米、ぬか藍玉あいだま灘目素麺なだめそうめん、阿波蝋燭、干鰯。
棺はおけを用いず、大抵たいてい箱形はこがたなり。さて棺のまわりに糠粃ぬかを盛りたる俵六つ或は八つをたて立掛たてかけ、火を焚付たきつく。俵の数はしかばねの大小によりことなるなり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
またそのぬかのうつくしさ
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)