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吐
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ぬか
ふりがな文庫
“
吐
(
ぬか
)” の例文
「手、手前はさっき、神様の前で、承知しましたと
吐
(
ぬか
)
したじゃねえか、継母だと思って
舐
(
な
)
めやがったなあ……こら、畜生ッ! 武!」
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
肥満
(
ふとっちょ
)
のお三どんが、ぶっちょう面をしゃあがって、旦那様とか、先生とかお言いなさい、御近所へ聞えます、と
吐
(
ぬか
)
しただろうじゃねえか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「野郎、ふざけたことを
吐
(
ぬか
)
すな、このお
膝元
(
ひざもと
)
で、永らく公方様の御恩になっていながら、公方様の悪口を言うなんて飛んでもねえ野郎だ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
奴、
何
(
ど
)
んなことを
吐
(
ぬか
)
すだろうかと、私は好奇心があった。
滔々
(
とうとう
)
と弁じている。
諄々
(
じゅんじゅん
)
と説いている。口は学生時代から達者で
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「おのれ、よくも地蔵菩薩を天狗だなどと
吐
(
ぬか
)
したな。」と、噛みつくように喚きながら、
斜
(
はす
)
に相手の
面
(
おもて
)
を打ち据えました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「
於兎吉
(
おときち
)
どん! お前の言うなあ! そりゃ日野様の坊っちゃんのことだあ!」と叫んで「昼
日中
(
ひなか
)
から人を呼び止めて莫迦べえ
吐
(
ぬか
)
しやがって!」
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
仙「
幇間
(
てえこもち
)
なんてえものは
彼方
(
あっち
)
へべったり
此方
(
こっち
)
へべったりしてえやアがるから、向うの奴に何か
吐
(
ぬか
)
すとたゞア置かねえぞ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「鉄砲持ちには出来すぎた面だ。舞っている女がどうこうと
吐
(
ぬか
)
したを、たしかに聞いた。もう一度そこで申してみろ」
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
大勢の見物人の前だから、初めは標準語でやっているが、
忽
(
たちま
)
ち心乱れてくると「何んやもう一ぺんいうて見い、あほめ、
糞
(
くそ
)
たれめ、何
吐
(
ぬか
)
してけつかる」
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
手を下したのは
汝
(
おのれ
)
じゃないと
吐
(
ぬか
)
すだろうが、
汝
(
うぬ
)
の意志をもって弟子どもがやったことである以上、その返報は当然てめえにかかってくるのが物の順序だ。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「君の新聞に書かれる前に、
警察
(
こっち
)
の手で引っぱたけば一も二もなかったんだが、すっかり手を廻しくさって……口を揃えて新聞記事を事実無根だと
吐
(
ぬか
)
すんだ」
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
まだこの
世界
(
せけえ
)
は
金銭
(
かね
)
が落ちてる、大層くさくどこへ行っても金金と
吐
(
ぬか
)
しゃあがってピリついてるが、おれの眼で見りゃあ
狗
(
いん
)
の
屎
(
くそ
)
より金はたくさんにころがってらア。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
吠面
(
ほえづら
)
さかいて、
泣偶人
(
なきにんぎゃう
)
め、
幸福
(
しあはせ
)
をば
幸福
(
しあはせ
)
とも
思
(
おも
)
ひをらいで、「
嫁入
(
よめいり
)
はせぬ」の、「
戀
(
こひ
)
は
知
(
し
)
らぬ」の、「まだ
年齡
(
としは
)
がゆかぬ」の、「
赦
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
されい」の、と
吐
(
ぬか
)
しをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
殺し
兼
(
かね
)
る者かと云ば段右衞門何穀平を殺したと
馬鹿
(
ばか
)
を云へ彼の穀平を殺せし者は
杉戸屋
(
すぎとや
)
富右衞門とて既に御仕置に成たり
然
(
しか
)
るに
汝
(
おの
)
れ今さら何を
吐
(
ぬか
)
す
恍
(
とぼ
)
けをるか
此女
(
このあま
)
めと
叱
(
しか
)
り付るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
王「吾子よ最もな事を
吐
(
ぬか
)
す、さらばこの衣類を遣わすからそこで着よ」、豹殺し「父様有難くて
冥加
(
みょうが
)
に余って誠にどうもどうも、しかしこんな
尤物
(
べっぴん
)
に木を
斫
(
き
)
ってやる人がござらぬ」
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
どうせ、かうなつた身體だから、そんな事は何うでもいゝぢや御座いませんか。それに、あの編笠野郎は、餘程深い
仔細
(
しさい
)
があると見えて、自分からも言ひません——とかう
吐
(
ぬか
)
しあがる
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「じっきに出るのはよう解り切ってるのに、まだじゃまだじゃと
吐
(
ぬか
)
しおって……」
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
「相川さん、遅刻届は活版
摺
(
ずり
)
にしてお置きなすったら、
奈何
(
いかが
)
です」などと、
小癪
(
こしゃく
)
なことを
吐
(
ぬか
)
す受付の小使までも、心の中では彼の貴い性質を尊敬して、普通の会社員と同じようには見ていない。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
すると
奴
(
やっこ
)
さん、澄しこんだ顔付でね、大事な商売の金なんだが、まあ月に七八分も利子を出すんなら、五十円くらい融通してやってもいい、なんかって
吐
(
ぬか
)
しやがるのさ。馬鹿にしてるじゃねえか。
神棚
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「何を
吐
(
ぬか
)
す!」と人丸左陣は大口をあけて哄笑した。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
吐
(
ぬか
)
した、うつけ者、焼けただれてしまえ。」
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
(何を
吐
(
ぬか
)
して行ったって?)
春と修羅 第三集
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
こう
吐
(
ぬか
)
しやがるのが
癪
(
しゃく
)
なんでげして、異人館なんぞへまいりまするてえとテブルの上で、毛唐の奴がよくこんな噂を吐しやがるんでげす。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……
暢気
(
のんき
)
さも
傍若無人
(
ぼうじゃくぶじん
)
で、いずれ野宿の、ここに寝てしまうつもりでいよう。舫船を旅籠とより、名所を座敷にしたようなことを
吐
(
ぬか
)
す。が。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何を
吐
(
ぬか
)
しやアがるんでえ、
撲
(
なぐ
)
り付けるぞ、コレ頭を
禿
(
はげ
)
らかしやアがって馬鹿も休み休み云え、粂どんが人を殺して金を取る様な人か人でねえか
大概
(
てえげえ
)
解りそうなもんだ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何を同じことを二度も
吐
(
ぬか
)
す! と言わんばっかりに横
睨
(
にら
)
みにしながら社員氏は
扉
(
ドア
)
の外へ消えた。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
詮議
(
せんぎ
)
するぞ有樣に
吐
(
ぬか
)
せばよし若し此上にも
取隱
(
とりかく
)
さば
憂目
(
うきめ
)
を見せんと云へども知ぬとばかりゆゑ立花左仲は
立掛
(
たちがゝ
)
りお島を
引立
(
ひきたて
)
て
庭
(
には
)
に
連行
(
つれゆき
)
衣類
(
いるゐ
)
を
剥
(
はぎ
)
て
雪
(
ゆき
)
に
氷
(
こほ
)
りし松の木に
縛
(
しば
)
り
付
(
つけ
)
割竹
(
わりたけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しちゃ困ると言ってやりましたが、この犬が吠えるから悪いと
吐
(
ぬか
)
します。犬は吠えるのが商売だと言い返してやったら、『縛って置け。咬み殺されても知らないぞ』と権幕をして帰って行きました
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
婆アに縁があり、線香に縁があるとでも
吐
(
ぬか
)
しや宜いのに
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私を泥棒じゃと
吐
(
ぬか
)
しおる」
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
吐
(
ぬか
)
いて、附木を
持翳
(
もちかざ
)
すと、
火入
(
ひいれ
)
の
埋火
(
うずみび
)
を、口が燃えるように吹いて、緑青の炎をつけた、
芬
(
ぷん
)
と、
硫黄
(
いおう
)
の
臭
(
におい
)
がした時です。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「やい、ふざけやがるな、貧窮組を何だと思ってるんだ、ぐずぐず
吐
(
ぬか
)
すとこっちにも
了簡
(
りょうけん
)
があるぞ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
殺されたに
違
(
ちげ
)
えねえんで、それを店の番頭野郎がこう
吐
(
ぬか
)
すんだ、
何
(
な
)
んでも粂どんがお嬢様を誘い出して、途中で殺して金子を取ったに違えねえ、鳶頭も粂どんと
共謀
(
ぐる
)
になって
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
吐
(
ぬか
)
したには、腹が立った。以来私は、この小説家とは道で逢っても、口もきかん。
雷嫌いの話
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
居さえすれば渡して進ぜる、
居
(
お
)
らぬが実じゃで
断念
(
あきらめ
)
さっし。と言わせも果てず眼を怒らし、「まだまだ
吐
(
ぬか
)
すか面倒だ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貧窮組なんぞへ入る人間は一人もねえんだとよ、そんなところへ出す銭は
鐚一文
(
びたいちもん
)
もねえんだとよ、みなさん方に了簡がおありなさるなら了簡通りになさいましと
吐
(
ぬか
)
したぜ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嬲
(
なぶ
)
り
殺
(
ごろし
)
にして遣ろうという
謀計
(
ぼうけい
)
が胸に浮んだから、今夜
空泣
(
そらなき
)
して改心の
体
(
てい
)
を見せたのだが
流石
(
さすが
)
は町人、智慧は足りねえ、そんなら行って見届けてやろうと高慢振って
吐
(
ぬか
)
したが
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「承知しました。少しお待ち下さい。プリズウェイタミニュット」と
此奴
(
こいつ
)
は
吐
(
ぬか
)
した。上役には逢わせられないが、自分の一存でも決定の付かぬ情けねえ野郎であった。やがて現れた。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
次の
室
(
ま
)
の六畳に二人抱ッこをして寝ましたっけよ。お前さん
昨夜
(
ゆうべ
)
は大層うなされてねと、夜が明けてから
吐
(
ぬか
)
しまさ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手前
(
てめえ
)
の心に識別ウするから
其様
(
そんな
)
事を
吐
(
ぬか
)
すんだ、己が半分取ったたア何だ、撲り付けるぞ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なあに! 坊さま、
爺
(
じい
)
はちっとも叱ってなんかいましねえ。あんまりお藤がわからねえことを
吐
(
ぬか
)
すだで、言って聞かしてやっただけだで……そねいに気を揉まっしゃることはねえだ」
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「うむ、何とか
吐
(
ぬか
)
せやい、
俺
(
おい
)
らの方から出て行ってやりてえのだが、
理詰
(
りづめ
)
の槍になっているからそうはいかねえのだ、ここは
手前
(
てめえ
)
の方から出て来るところだ、
盲目
(
めくら
)
なら仕方がねえが、盲目でなかったら出て来いやい」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
雪女が寒いと
吐
(
ぬか
)
すと、火が火を熱い、水が水を冷い、貧乏人が
空腹
(
ひだる
)
いと云うようなものだ。
汝
(
うぬ
)
が勝手の我ままだ。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兄
(
あにき
)
もねえもんだ、
兄
(
あにき
)
(
狸
(
たぬき
)
)の
腹鼓
(
はらつゞみ
)
が聞いて
呆
(
あき
)
れると
吐
(
ぬか
)
しやアがるから、やい
此
(
こ
)
ン
畜生
(
ちくしやう
)
、
手前
(
てめえ
)
は
懶惰者
(
なまけもん
)
でべん/\と遊んでゐるから、
何処
(
どこ
)
へ
奉公
(
ほうこう
)
に
遣
(
や
)
つたつて置いてくれる者もないから
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
吐
(
ぬか
)
したそうです。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
挙動が奇怪じゃ、
胡乱
(
うろん
)
な奴等、来い! と言うてな、角の交番へ
引張
(
ひっぱ
)
って行って、
吐
(
ぬか
)
せと、二ツ三ツ
横面
(
よこッつら
)
をくらわしてから、親どもを呼出して引渡した。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
己がお
前
(
めえ
)
に渡す金を取って使ったろうと
吐
(
ぬか
)
しやアがった、ヘン、
憚
(
はゞか
)
りながら己だッて五百両や六百両、
他人
(
ひと
)
の
金子
(
かね
)
を預かることもあるが、三文だッて手を着けたことはありゃアしねえ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(山伏め、何を
吐
(
ぬか
)
す。)——結構でござるとも。その御婦人をお救けなさって、手前もお
庇
(
かげ
)
で助かりました。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生意気を
吐
(
ぬか
)
しやアがると承知しねえぞ、坂倉屋の仏壇で名を取ったと思って、高言を
吐
(
つ
)
きアがるが、
手前
(
てめえ
)
がそれほど上手になったのア誰が仕込んだんだ、其の高言は
他
(
ほか
)
へ行って吐くが
宜
(
い
)
い
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ざまあ見やがれ、
俺
(
おいら
)
が寄席へ
行
(
ゆ
)
くのを
愚図々々
(
ぐずぐず
)
吐
(
ぬか
)
しやがって、鉄さんだってお所帯持だ、心なくッて
欠厘
(
けちりん
)
でも
贅
(
むだ
)
な銭を使うものかい、地震除だあ、おたふくめ、」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“吐”を含む語句
嘔吐
吐出
吐月峰
吐瀉
吐息
吐月峯
毒吐
竜吐水
逆吐
吐掛
唾吐
吐露
嘘吐
音吐
吐気
龍吐水
息吐
御吐
吐散
吐蕃
...