“金銭”のいろいろな読み方と例文
旧字:金錢
読み方割合
かね50.0%
きんせん17.5%
おかね7.5%
おあし7.5%
ぜに7.5%
マネエ2.5%
ぜにかね2.5%
もの2.5%
マネイ2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「左様ですな。趣向は至極賛成です。だが、いよいよやるとなると、問題は金ですね、金銭かね次第だ。親父おやじに一つ話してみましょう」
このとき、しんぱくは、いのちけてり、そだててくれたほどのひとが、金銭きんせんってしまった、そのあいについてうたがわずにはいられなかったのでした。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『あ、ちよと、気の毒だがねえ、もう一度役場へ行つて催促して来て呉れないか。金銭おかねを受取つたら直に持つて来て呉れ——皆さんも御待兼だ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「ウム、しかしこの猪口は買ったのだ。去年の暮におれが仲通の骨董店どうぐやで見つけて来たのだが、あの猪口は金銭おあしで買ったものじゃあないのだ。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
案のぢやう大工町ぢやつた。貴様は本町へ行く位の金銭ぜには持つまいもんナ。……ハハア、軍隊なら営倉ぢや。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
間、君は何の為にかねこしらゆるのぢや。かの大いなるたのしみとする者を奪れた為に、それにへる者として金銭マネエといふ考を起したのか。それも可からう、可いとしてく。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「しかし、神ごとだというんだから、今の雲助とは訳が違って、金銭ぜにかねずくでは仕方がない、じゃ、これで別れるよ。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし人の金銭ものに手をかけたのはこれが初めです。
そもそも友とはたのしみを共にせんが為の友にして、し憂を同うせんとには、別に金銭マネイありて、人の助を用ゐず、又決して用ゐるに足らずと信じたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)