“きんせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
琴線21.6%
金銭18.9%
金扇13.5%
金錢10.8%
金箭8.1%
欣羨5.4%
金線5.4%
金旋2.7%
欽羨2.7%
歆羨2.7%
金匁2.7%
金磚2.7%
金蝉2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それであればこそ路傍ろぼう耳朶じだに触れた一言が、自分の一生の分岐点ぶんきてんとなったり、片言かたことでいう小児しょうにの言葉が、胸中の琴線きんせんに触れて、なみだの源泉を突くことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
金銭きんせん関係かんけいしないから、そのほうはなんですけれど、病気にでもかかったらこまりゃしませんかねえ」
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その馬じるしたる金扇きんせんの下に、旗本たちの鉄槍陣をまんまると従え、前二段に、鉄砲隊をき、大物見を、その先に伏せさせ、さて、いつでもと落着きすました。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よろしう御座ござんすたしかに受合うけあひました、むづかしくはお給金きうきん前借まへがりにしてなりねがひましよ、家内うちとはちがひて何處いづこにも金錢きんせんらちきにくけれど
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白根しらねの方へ夕陽の光がひときわ赤く夕焼をこしらえて、この桟敷の屋根へ金箭きんせんを射るようにさしかけていましたから、下の広場から見物するにはまだ充分の光でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今日の北湖ほくこ先生磊々らいらいとして東西南北を圧倒致し候には驚入おどろきいり候。欣羨きんせん々々。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
たう秦韜玉しんたうぎよく村女そんぢよに、もつともうらむは年々ねん/\金線きんせんつくらふ他人たにんためよめいり衣装いしやうつくるといひしはむべなる哉々々かな/\/\
武陵ぶりょうには太守金旋きんせんがあり、長沙ちょうさには韓玄かんげん、桂陽には趙範ちょうはん零陵れいりょうには劉度りゅうどなどが、おのおの地盤を占めております。この地方は総じて、魚米の運輸よろしく、地も中原に似て、肥沃ひよくです。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういって、太守金旋きんせんをいさめたのは、城将のひとり鞏志きょうしという者だった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平生へいぜい學海居士ガクカイコジ儒家じゆからしき文氣ぶんき馬琴バキンけたる健筆けんひつ欽羨きんせんするものなるが、つみばつたいする居士コジ評文ひようぶんあまりに居士コジ代表だいひようすることおほきにはいさゝ當惑とうわくするところなきあたはざりし。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
願わくは執事かたじけなくも鄙衷ひんちゅうを察して、この事成るを得しめられよ。生らのく為す所は百般の使役もただ命これ聴かん。それ跛躄者はへきしゃの行走者を見、行走者の騎乗者を見る、その意の歆羨きんせん如何ぞや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
金匁きんせんろんぜず、ことさらに手際てぎはをみせて名をとらばやとて、うみはじめより人の手をからず、丹精たんせい日数ひかずて見事に織おろしたるを、さらしやより母が持きたりしときゝて
いずれにせよ、彫梁ちょうりょうの美、華棟かとうけん碧瓦へきがさん金磚きんせんの麗、目もあやなすばかりである。豪奢雄大、この世にたとえるものもない。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西方金蝉きんせん長老の転生うまれかわり玄奘法師げんじょうほうしと、その二人の弟子どもじゃ。とう太宗皇帝たいそうこうてい綸命りんめいを受け、天竺国てんじくこく大雷音寺だいらいおんじ大乗三蔵だいじょうさんぞう真経しんぎょうをとらんとておもむくものじゃ。悟浄よ、なんじも玄奘に従うて西方におもむけ。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)