“琴線”の読み方と例文
読み方割合
きんせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
友の眉には無限の愁思あり、友の胸には無限の琴線きんせんあり。われはこれに觸れんとして、却つてわが情の純ならざるを悔ひぬ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
それであればこそ路傍ろぼう耳朶じだに触れた一言が、自分の一生の分岐点ぶんきてんとなったり、片言かたことでいう小児しょうにの言葉が、胸中の琴線きんせんに触れて、なみだの源泉を突くことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
子供達は、既に何等琴線きんせんに触れることなき、勧善懲悪ちょうあく式の古いお伽噺から離脱してしまったけれど、まだこれに代わるべき、美しき鮮彩な夢を持たずにいます。