“琴歌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことうた60.0%
キンカ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
侃々諤々かんかんがくがくも、景助や五郎八の悲嘆慷慨ひたんこうがいも、そこここのすったもんだも、一様に、黙りかえって、十三絃のまろぶ音につれて聞える琴歌ことうたにしばし耳をすまし合った。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かなしみの中にも、それを露わに言わないで琴歌ことうたにたくして、その別離の情と、壮行を祝う心とを内蔵助に送ったお軽こそ、わたくしの好きな女性の型の一人である。
軽女 (新字新仮名) / 上村松園(著)
これが一つになつて所謂琴歌キンカ神宴或は清暑堂御遊といふやうな名称を失うて、御神楽と称せられ、更にそれを庭上の神事といふ風に形を変へさせ
神楽(その二) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
室町以後江戸の初期へかけて、中世以前、上流の専有であつた組歌が、民間に盛んに行はれる様になり、古い琴歌キンカは、いつしか、新しい組唄を生じ、三味線にも組唄がかけられてゐた。
組踊り以前 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)