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琴線
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きんせん
ふりがな文庫
“
琴線
(
きんせん
)” の例文
友の眉には無限の愁思あり、友の胸には無限の
琴線
(
きんせん
)
あり。われはこれに觸れんとして、却つてわが情の純ならざるを悔ひぬ。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
それであればこそ
路傍
(
ろぼう
)
で
耳朶
(
じだ
)
に触れた一言が、自分の一生の
分岐点
(
ぶんきてん
)
となったり、
片言
(
かたこと
)
でいう
小児
(
しょうに
)
の言葉が、胸中の
琴線
(
きんせん
)
に触れて、
涙
(
なみだ
)
の源泉を突くことがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
子供達は、既に何等
琴線
(
きんせん
)
に触れることなき、勧善
懲悪
(
ちょうあく
)
式の古いお伽噺から離脱してしまったけれど、まだこれに代わるべき、美しき鮮彩な夢を持たずにいます。
『お話の木』を主宰するに当たりて宣言す
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いちいち彼女の
琴線
(
きんせん
)
には、こころよい語感になって、
雌蕊
(
めしべ
)
の命をふるわすのだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……
灯影
(
ほかげ
)
にすかして見ると例のヴァイオリンが、ほのかに秋の
灯
(
ひ
)
を反射して、くり込んだ胴の丸みに冷たい光を帯びています。つよく張った
琴線
(
きんせん
)
の一部だけがきらきらと白く眼に
映
(
うつ
)
ります。……
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
感情の
琴線
(
きんせん
)
は純で
一途
(
いちず
)
だった。
情
(
じょう
)
に
極
(
きわ
)
まると子供みたいな
咽
(
むせ
)
びを洩らす。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぼくら日本に生きる者の肉親感の
琴線
(
きんせん
)
をかなでるものらしい。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
琴線
(
きんせん
)
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“琴線”の意味
《名詞》
琴の糸。
(context、figurative)人の心の奥に秘められている心情。
(出典:Wiktionary)
琴
常用漢字
中学
部首:⽟
12画
線
常用漢字
小2
部首:⽷
15画
“琴”で始まる語句
琴
琴柱
琴瑟
琴平
琴歌
琴爪
琴棋
琴責
琴書
琴手