金銭きんせん)” の例文
旧字:金錢
このとき、しんぱくは、いのちけてり、そだててくれたほどのひとが、金銭きんせんってしまった、そのあいについてうたがわずにはいられなかったのでした。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金銭きんせん関係かんけいしないから、そのほうはなんですけれど、病気にでもかかったらこまりゃしませんかねえ」
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
向後ちゝいかりに触れて、万一金銭きんせん上の関係が絶えるとすれば、かれいやでも金剛石ダイヤモンドを放り出して、馬鈴薯ポテトーかぢり付かなければならない。さうして其つぐなひには自然の愛が残る丈である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それより両国尾上町りやうごくをのへちやう京屋きやうや楼上ろうじやう集会しふくわいする事十とせあまり、これを聞くものおれれに語り、今は世渡よわたるたつきともなれり、峨江がこうはじめさかづきうかめ、すゑ大河たいがとなるはなしすゑ金銭きんせんになるとは
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
金銭きんせんづくで作ってやろうというのではない……
そう、そう、まえからだれにも、人間にんげん平等びょうどう権利けんりはあったのさ。それを無智むち卑屈ひくつのため、みずか放棄ほうきして、権力けんりょくや、金銭きんせんまえに、奴隷どれいとなってきたのだ。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「これは、金銭きんせんではられない代物しろものだ。」といって、ことわったのでありました。
おじいさんが捨てたら (新字新仮名) / 小川未明(著)