金銭おあし)” の例文
旧字:金錢
「ウム、しかしこの猪口は買ったのだ。去年の暮におれが仲通の骨董店どうぐやで見つけて来たのだが、あの猪口は金銭おあしで買ったものじゃあないのだ。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『それ金銭おあしを呉れる。柿でも買へ。母さんや進には内証だぞ。さあ最早もうそれでいゝから、早く帰つて——父さんが今言つた通りに——よしか。解つたか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
私がマゴマゴしていますと、お前は葉書を買う金銭おあしも無いのかッて、母は泣いてしまいました……でも、その時百円出してくれました……それで、まあやっと息をいたんですよ
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)