泥濘ねかるみ)” の例文
一同は泥濘ねかるみの街路を進みだした。ねちねちした舗石の上にすべりがちな馬を、クリストフは手綱でとらえていた。ルイザは息子むすこと並んで歩きながら、彼を雨にあてまいとした。
汽車は線路の曲がりかどで見えなくなった。シュルツはまた一人きりになった。彼は泥濘ねかるみの並木道を通って帰った。足を引きずっていた。疲れと寒さと雨の日の悲しさとをにわかに感じた。