“阿鼻”の読み方と例文
読み方割合
あび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呻く者、泣く者、喚く者、縛られたまま転げ廻る者、呪詛のろいの声を上げる者、……部屋の内はそれらの声で、阿鼻あび地獄を呈していた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
救いを求むる千余人の阿鼻あび叫喚——「猛火は正う押懸たり」と平家の作者はすごい筆致で語っているが、仏も衆生しゅじょうもろとも滅びて行ったこの地獄の日に
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
大仏殿の二階で全く逃げ場がない避難者たちの喚き叫ぶ声は、夜空に凄惨せいさんなひびきをつたえた。大焦熱の地獄、焔の底の罪人も、これほどとは思われぬ阿鼻あびの地獄であった。