“のろし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
烽火37.2%
狼煙29.8%
狼火22.3%
狼烟9.6%
呪詛1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
張任は、こう勇断を下して、やがて一発の烽火のろしをあいずに、銅鑼どらつづみの震動、喊声かんせいの潮、一時に天地をうごかして、城門をひらいた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは、狼煙のろしのように——風が無いものですから、思うさま高く伸びきって、のんのんと紅い色を天に向って流し出したのです。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そらこが狼火のろし……そして最後さいご武運ぶうんいよいよきてのあの落城らくじょう……四百年後ねんご今日こんにちおもしてみるだけでも滅入めいるようにかんじます。
佃島つくだじまでは例年の通り狼烟のろし稽古けいこの始まる頃とて、夕涼かたがたそれをば見物に出掛ける屋根船猪牙舟ちょきぶねは秋の木葉このはの散る如く河面かわもせに漂っていると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
玉虫 呪詛のろしのしるしあらわれて、ここにふたつの生贄いけにえをならべた。源氏の運も長からず、一代…二代……。(指折りかぞえて。)おそくも三代の末までには……。かならず根絶やしにして見しょうぞ。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)