呪詛まじない)” の例文
卜筮うらない呪詛まじない一切不信仰で、狐狸きつねたぬきが付くと云うようなことは初めから馬鹿にして少しも信じない。小供ながらも精神は誠にカラリとしたものでした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
や、また塗った塗った、その顔は何だい、まるで白粉おしろいで鋳出したようだ。厚きこと土蔵くらの壁に似たりよ、何の真似だろう、火にけぬというお呪詛まじないかも知れねえ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女どもが云つた呪詛まじないのやうなことばすごし、一足ひとあしむねを離れるが最後、岸破がばと野が落ちての底へ沈まうも知れずと、爪立足つまだてあしで、びく/\しながら、それから一生懸命に、野路のみちにかゝつてげ出した
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)