“はかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
56.3%
9.6%
7.4%
5.9%
3.7%
天秤3.0%
秤量2.2%
衡器2.2%
秤器1.5%
権衡0.7%
謀計0.7%
度量衡0.7%
把秤0.7%
0.7%
斗量0.7%
斤目0.7%
0.7%
權衡0.7%
血蹤0.7%
計策0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
店の隅では、たばこの葉を鉋台かんなだいにかけている者があるし、はかりにかけて五十きん箱に詰めて、江戸へ出す荷ごしらえをしている者もある。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先生決して汽船にお乗なさるな。若し旨にさかつて職を免ぜられると云ふことになつたら、野に下つて漢医方の興隆をおはかりなさるが宜しいと云つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
なお、仔細しさいをきいてみると、張横は得意の水戦を用いて、敵の攪乱かくらんに出かけ、かえって敵のはかりにおちて捕われたもの。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
稀有けうの徴税法 ここに一つ可笑おかしい事がある。大蔵省でマルを量るはかりがおよそ二十種ばかりある。それから麦、小麦、豆等を量るますも三十二種ある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
追放つゐはうくからは、父母ちゝはゝもチッバルトもロミオもヂュリエットも皆々みんな/\ころされてしまうたのぢゃ。「ロミオは追放つゐはう!」その一言ひとことひところちからにははてはかりきりさかひいわいの。
「願くはわが憤恨いきどおりはかられ、わが懊悩なやみのこれと向いて天秤はかりにかけられんことを」というは、友の観察の浅きを責めし語である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「なぜ、おめえは、秤量はかりなんぞを、腰に差していねえで、幇間たいこもちにならなかったか」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現在の僕の生活に於ける絶望と退屈とが、まず大体の動向を決定してしまったというわけで、向うさんのいう条件をいちいち、衡器はかりに掛けて決定したわけではない。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「佐藤春夫曰く、悪趣味の極端。したがってここでは、誇張されたるものの美が、もくろまれて居る。」——「文士相軽。文士相重。ゆきつ、戻りつ。——ねむり薬の精緻せいちなる秤器はかり。無表情の看護婦があらあらしく秤器を ...
めくら草紙 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ちよいとちいさいシヤツポをかぶり、洋服で歩いてますから知れませんよ。岩「あの浄玻璃じやうはりの鏡にごふ権衡はかりうしました。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ごふ権衡はかりは公園にお茶屋ちやゝりまして、其処そこ据付すゑつけてりますが、みなさんがぼく地獄ぢごくてから体量えたなどゝつてよろこんでります、浄玻璃じやうはりの鏡は、ストウブをきますうへかざつてあります
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
取り里を惣内妻に致し其後下伊呂村にて石川安五郎つまならび馬士まご松五郎を切殺し惣内夫婦を密かに立退せ同人夫婦切害せつがいあひし趣きに訴へ出九助を罪におとさんと謀計はかり上をいつはりし始末しまつ公儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
富士詣ふじまうでの下向げかうみぎり駕籠坂かごさかたうげにて始めて出會であひなんぢしなんと云を不便ふびんに思ひ連戻つれもどり我が宿に差置六七年やしなおきし中其恩義をわすれ我が女房と密通みつつうなし此條七を追出し田地家屋敷やしき家財迄かざいまでうばひ取んと謀計はかり白鳥はくてう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
肋膜炎ろくまくえんを病んだ挙句が、保養にとて来ていたが、可恐おそろし身体からだを気にして、自分で病理学まで研究して、0,などと調合する、朝夕ちょうせき検温気で度をはかる、三度の食事も度量衡はかりで食べるのが、秋の暮方
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
砂糖を鉄把秤スティールヤード——というより竹の把秤はかりだが——ではかっては袋に入れ、おつりの勘定をする等の仕事を、すっかりやっていたのは面白かった。
ぐわつうめにもこゝろいそがれず、つき小學校しようがくかう定期試驗ていきしけんとて飯田町いひだまちのかたに、みかたまけていそへるを、れどもこゝろたのしからず、いゑのさま、町子まちこうへ、いかさまにせん、とはかりおもふ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一生を斗量はかりにかけ尺度ものさしにはかり、これほどゝ限りある圖の中に、身は目に見えぬ繩につながれ、人の言葉を守り人の命令さしづに働き、功は後の世に殘る事もなく
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
製線所では割合に斤目はかりをよく買ってくれたばかりでなく、他の地方が不作なために結実がなかったので、亜麻種あまだねを非常な高値たかねで引取る約束をしてくれた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何とかいふ面倒くさい名前の催眠剤を一々丁寧にはかりにかけて呑んでゐると聞いてゐたが、会つてみると、私と以前反目した時のやうに神経的な苛立たしさは見受けられず殆んど変りがないやうだつた。
牧野さんの死 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
鐵の權衡はかりかくなる影を落して
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
猟師の詞で言ふと僕は決して血蹤はかりを見損なつたのではない。又血蹤を尋ねて行く途中で僕は少しもまご付いたのではない。僕の推理をして来た思想の連鎖は一節毎に正確なのだ。
晋文匡扶しんぶんきょうふの才なきを笑い、趙高王莽ちょうこうおうもう計策はかりなきをあざけって時々、自らの才を誇る風はあるが、兵法は呉子孫子をそらんじ、学識は孔孟の遠き弟子をもって任じ、話せば話すほど
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)