“ばか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バカ
語句割合
莫迦31.5%
馬鹿23.0%
21.9%
6.3%
白痴4.6%
3.1%
2.0%
1.4%
1.0%
0.6%
(他:38)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それでも莫迦ばかにはなりません。都の噂ではその卒塔婆が、熊野くまのにも一本、厳島いつくしまにも一本、流れ寄ったとか申していました。」
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは実に莫迦ばかげた腹立たしいことだけれど、二人きりで幾度となく、同じ屋根の下に居たということが、わざわいの種となっているのだった。
不思議なる空間断層 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「お前さん莫迦ばかね。ちつと黙つていらつしやいよ。そんな事を云つちや、わたしがきまり悪くなるぢやないの。あれは玄米げんまい珈琲よ。」
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
馬鹿ばかやつらだ。もう秋風あきかぜつたじやないか、ゑるもくも、それがどうした。運命うんめいはみんな一つだ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
父はわたしの教育のことには、ほとんど風馬牛ふうばぎゅうだったが、さりとてわたしを馬鹿ばかにするような真似まねは、ついぞしたことがない。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
「貴様※みたいな、よそから来たものに馬鹿ばかにされてたまっか。早く銭を払え、銭を。ないのか、この野郎。ないならして物食った。こら」
祭の晩 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
東禅寺に浪士の襲撃を受けた英吉利イギリスの特命全権公使サア・ルサアフォオド・オルコックは我我日本人の音楽にも騒音を感ずるばかりだった。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
予が書いたものの中に小説というようなものは、僅に四つ程あって、それが皆ごくの短篇で、三四枚のものから二十枚ばかりのものに過ぎない。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
人々手をわけて浄書きよがきすみぬれば、五つ輪の円座、居ずまひ直して、総数四十幾首より各々好める歌ぶり十首ばかえらみ入るゝなり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其れが為め翁と政府との間に紛紜ごた/″\が起つて居るのを某某ぼうぼうの名士等が調停にはひつたと云ふ新聞記事が十日ばかり前に出た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
こんな恰好で神宮を出でたつと道路のわきに、年の頃二十ばかりの若者が羽織を着、膝を付けて、信長に声を掛けられるのを待って居る様子である。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
とじろりっと横眼でお梅と顔を見合わしたばかり、ぎっくり胸にこたえて、流石さすがの悪党永禪和尚も、これは飛んだ所へ泊ったと思いました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
——御承知でもあるでしょう、また御承知がなければ、恐らく白痴ばかと言わんけりゃならんですが、このひでりです、旱魃かんばつです。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白痴ばかの猪之助の家は名取屋の店と並んだやうになつて、獨り者の猪之助は、取殘されでもした樣な恰好で、ぼんやり外を眺めて居りました。
「旦那、見込違ひで御座いました。新助といふ男は、人を殺せるやうなたちの人間では御座いません。あれは商賣外の事は白痴ばかも同樣の男で御座います」
考えて見ると今まで木の影を離れる事が出来ぬので同じ小道を往たり来たりして居る、まるで狐にばかされたようであったという事が分った。
句合の月 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
きつねたぬきむかしひとばかすものとしんじられたりしましたが、けつしてそんなばかげたことがありるわけもありません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
こは当楼の後ろの大薮に数年すねんすんでいる狸の所為しわざにて、毎度この高味うまいものをしてやらるると聞き、始めてばかされたと気がつい
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
女房はばかばかしいと思ったが、へんなことで露見ばれてもならんと思って、云うなりに裏の畑から一束の韮を刈って来てそれを洗って枕頭へ持って往った。
雀の宮物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
精神の混沌こんとんとしている広巳にはものを考える力がなかった。広巳はばかのように女の顔を見た。お鶴がそれをもどかしがった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「おい、何か云わないのか、俺だちが義侠心ぎきょうしんを出して、家庭を粛正してやろうとしてることが判らないのか、ばか
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それも、これも、私がばかされたのかも知れない。間淵に、例の「魔道伝書」がありましょう。女房に相伝していないと言われますか——お聞きになれば分るんですが。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
餘り其處そこらが奇麗なので、自分は始、狐にばかされてゐるのでは無いかと思ツたけれども自分は、夢を見てゐるのでも無ければきつねばかされてゐるのでも無い。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
『芳一さん!——芳一さん!』下男達は声をかけた『貴方は何かにばかされているのだ!……芳一さん!』
耳無芳一の話 (新字新仮名) / 小泉八雲(著)
◎先年伊勢いせへ赴き、二週間ばかり滞在した事があった、ある夜友人に招かれて、贄崎にえさき寿楼ことぶきろうで一酌を催し
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
と毒づいてあったので、剛毅な善兵衛も色を失った、消印を見ると三十マイルばかり隔た□□市から速達便で郵送されたことが判った。
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
どうしたものか奥さまは僕を可愛やとおっしゃらぬばかりに、しっかり抱〆だきしめて下すったことの嬉しさは、忘れられないで
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
臧は二成が兄のためにばかにせられたのだろうと思って、二成を兄の所へやって容子を見さした。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
何故といつて、馬は士官のやうに制服制帽で人を見分けるやうなばかな真似はしないから。
特別の場合のほかは馬は大抵主人よりはばかなものときまつてゐるから。
うちひとつが「愚物ばか」といていかわからないので、そのとなりのにいてたことまでもりました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
むすめともはれぬ愚物ばかなどにて、慈悲じひぶかきおや勿体もつたいをつけたるこしらごとかもれず
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あいちやんは陪審人ばいしんにんのこらず石盤せきばんに、『愚物ばかだわねえ!』ときつけてゐるのを
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
友「はい/\此のお村にばかされまして、今晩牛屋の雁木で心中致しました自業自得のくたばぞこないでございます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
晋「馬鹿を云いなさい、人間が心を臍下さいかに落付けていさいすれば決して狐狸にばかされるものでないから」
國「それだからお前は孝助にばかされているのだよ、孝助はお前の事を殿様にどんなに胡麻をするだろう」
が其時はもう本當の愚女ばかになつて居て、主人であつた人に逢ふても、昔の禮さへ云はなんだ。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
が其時はモウ本当の愚女ばかになつて居て、主人であつた人に逢ふても、昔の礼さへ云はなんだ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
高沼繁! 狂人ばか繁! 自分は直ぐ此名が決して初対面の名でないと覚つた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何家どこのがんこだ!』『狂人ばかのよ、繁のよ。』『アノ高沼のしげる狂人ばかのが?』『ウムさうよ、高沼の狂人のよ。』『ホー。』『今朝の新聞にも書かさつてだずでヤ、繁ア死んでエごとしたつて。』『ホー。』
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『何處のがんこだ?』『狂人ばかのよ、しげるのよ。』『アノ高沼たかぬま繁狂人しげるばかのが?』『ウムさうよ、高沼の狂人ばかのよ。』『ホー。』『今朝けさの新聞にも書かさつて居だずでや、しげア死んでえごどしたつて。』『ホー。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いや、何しろ冬がやつて來た。地球が痴呆ばかなのさ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
恐怖のあまりまるで痴呆ばかになっていた。一人は赦してくれとめそめそ泣くし、一人はまるで獣みたいになって罵詈雑言する、三人目は跪いてお祈りを上げている。僕はフェーヂャに言った、まあ腹を立てるな、この卑劣漢どもを放してやれ。彼は奴らに物を食わしてね、麦粉一プード〔(一プードは約十六キログラム)〕ずつ背負わして放してやった、消えて失くなれ! ってね。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
何時いつでも姉はいそ/\と出迎へてくれるのに、今日は近所から預かつてある十許ばかりの女の子が淋しさうな顔をして、入口に出て来たばかりなので、少し気先きを折られながら奥の間に通つて見ると、姉は黙つて針仕事をして居た。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
うしばかのほとりの桜が咲いた。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
老狐らうこ婦女ふぢよばかしていんするもあり、いんせられし女はかならずかみをみだし其処にして熟睡じゆくすいせるがごとし、そのよしをたづぬれども一人も仔細しさいをかたりし女なし、みな前後ぜんごをしらずといふ、しらざるにはあるまじけれども、事をはぢていはざるならん。
たぬきが人を婆化ばかすと云いやすけれど、何で狸が婆化しやしょう。ありゃみんな催眠術さいみんじゅつでげす……」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
俗人は拙が作蔵を婆化したように云う奴でげすが、そりゃちと無理でげしょう。作蔵君は婆化されよう、婆化されようとして源兵衛村をのそのそしているのでげす。その婆化されようと云う作蔵君の御注文に応じてせつがちょっと婆化ばかして上げたまでの事でげす。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「だから、子供がきを育てるのも、容易ばかには出来ねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
『よし、それなら』とグリフォンはつゞけて、『醜飾しうよしよくするとふことをらないならおまへ愚人ばかだ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
竹刀の先ッぽに、目録の包みを結びつけ、肩にかついでいる恰好かっこうは、狐にばかされた武者修行とでも見えるのか、野良犬が、後ろから、わんわん吠えた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宿屋の親父は五平ごへいと云って、年五十九で、江戸を喰詰くいつめ、甲州あたりへ行って放蕩ばかをやった人間でございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
独逸どいつ名高なだかい作者レツシングとふ人は、いたつて粗忽そそつかしいかたで、其上そのうへ法外ばかに忘れツぽいから
痛いには違いあるまいが、頭がただもうぼう無感覚ばかになっているから、それで分らぬのだろう。
私たちの心の最奥には仏智見ぶっちけんと言って完全無欠の霊智があるのですが、その上を無明ばかな痴が遮ぎっているので、みすみす自分に持ち合せる霊智を働かせることが出来ないのです。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その男というのはその時分丁度ちょうど四十一二ぐらいで、中々なかなか元気な人だったし、つ職務柄、幽霊の話などはてんから「んの無稽ばかな」とけなした方だった
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
無謀ばかことをするな。』とわたくし嚴然げんぜんとして
いづれもそれ等印象派の画家がまだ名を成さない時代に買ひ集めたものが多いらしく、リユイル氏が愛蔵して売品としない物許ばかりである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
痴人ばかめ!』女王樣ぢよわうさま焦心ぢれッたさうに御自身ごじしんあたましてまをされました、それからあいちやんに振向ふりむいて、『なんまをぢや?子供こども
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)