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化
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ばか
ふりがな文庫
“
化
(
ばか
)” の例文
そう
云
(
い
)
って、勝平は叮嚀に言葉を切った。
老狐
(
ろうこ
)
が
化
(
ばか
)
そうと思う人間の前で、木の葉を頭から
被
(
かぶ
)
っているような白々しさであった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
さうだ恰度この辺だ! 小川の流れが左に迂回してゐる水門のほとりだと云つた! ——狐に
化
(
ばか
)
されて酷い目に遇つたといふ凄い話を伝へた。
黄昏の堤
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
彼の
狡智
(
かうち
)
な顏つきに接せず、しかも、そんな、汚なく
化
(
ばか
)
される人間そのものを、てんから馬鹿ものとして耳にしてゐたからなのかも知れない。
春宵戯語
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そこでチルナウエルは次第に小さい銀行員たることを忘れて、次第に昔話の魔法で
化
(
ばか
)
された王子になりすました。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
……分ったか。若い女の途中が
危
(
あぶな
)
い、この入口まで来て待ってやる、
化
(
ばか
)
されると思うな、夢ではない。……
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「年々色をかえ品をかえたる流言の
妄説
(
うそばなし
)
、
懲
(
こり
)
も無く毎年
化
(
ばか
)
されて、一盃ずつうまうまと喰わさるる衆中」
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
ひょっとしたら私が気を落している所へ附込んで、
狐
(
きつね
)
狸
(
たぬき
)
が
化
(
ばか
)
すのではないか、もし化されて
此様
(
こん
)
な処へ来やアしないかと、茫然として墓場へ立止って居りました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
このあたりには、よく狐めがゐて人を
化
(
ばか
)
すといふ
噂
(
うはさ
)
だが、わしは狐ぢやない。
葛
(
くず
)
の葉を見せ変へて、小判だなんといはぬから、よくあらためて受けとりな。さあさ。
狐の渡
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
人を
化
(
ばか
)
すとか、
腹鼓
(
はらつづみ
)
を打つとかいう特有の芸能を見る人は見る人として、犬族としては珍しく水に潜り、木にのぼる芸当を持っているということを学者は珍重する。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
狐の人を
化
(
ばか
)
す事、
伝通院
(
でんつういん
)
裏の
沢蔵稲荷
(
たくぞういなり
)
の
霊験
(
れいげん
)
なぞ、こまごまと話して聞かせるので、私は其頃よく人の云うこっくり様の占いなぞ思合せて、
半
(
なか
)
ばは田崎の
勇
(
ゆう
)
に
組
(
くみ
)
して
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
第一の所化 (一歩前に踏み出し乍ら)やれ、
口惜
(
くちをし
)
や、南蛮寺の妖術めに
化
(
ばか
)
されておぢやつたとは。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
狸
(
たぬき
)
の
毛皮
(
けがは
)
は
大變
(
たいへん
)
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つもので、
値段
(
ねだん
)
も
高
(
たか
)
いのです。
狐
(
きつね
)
や
狸
(
たぬき
)
は
昔
(
むかし
)
は
人
(
ひと
)
を
化
(
ばか
)
すものと
信
(
しん
)
じられたりしましたが、
決
(
けつ
)
してそんなばかげたことがあり
得
(
う
)
るわけもありません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
なんでもお前さんはその黒い目で、蛇が人を
睨
(
にら
)
めるようにわたしを見ていて、わたしを
化
(
ばか
)
してしまったのだわ。今思って見ればわたしはお前さんにじりじり引き寄せられていたのだわ。
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
かう見えても、あなたよりは氣は
確
(
たしか
)
です。あなた達の方が
化
(
ばか
)
されてゐるのですよ。
正雪の二代目
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
考えて見ると今まで木の影を離れる事が出来ぬので同じ小道を往たり来たりして居る、まるで狐に
化
(
ばか
)
されたようであったという事が分った。今は思いきって森を離れて水辺に行く事にした。
句合の月
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「でも、よく來て下すつたわねえ、——お狐にでも
化
(
ばか
)
されると思つたでせう」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
また全然狐が
化
(
ばか
)
すという事実を知らぬ外国にもある現象にちがいない。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
こは当楼の後ろの大薮に
数年
(
すねん
)
住
(
すん
)
でいる狸の
所為
(
しわざ
)
にて、毎度この
術
(
て
)
で
高味
(
うまい
)
ものをしてやらるると聞き、始めて
化
(
ばか
)
されたと気が
付
(
つい
)
て、
果
(
はて
)
は大笑いをしたが、
化物
(
ばけもの
)
と直接応対したのは、自分
斗
(
ばか
)
りであろうと
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
動物園のおぢさん「
私
(
わたし
)
はまだ
化
(
ばか
)
された
事
(
こと
)
はない」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
何よりも一本松が一本松に、ありありと夜中に見えたんですから
化
(
ばか
)
されていたに違いない。いやそれ以上、魔法にやられていたのです、——「伝書」をお忘れになりますまい。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はア…
何
(
ど
)
うしたんだろう、心の迷いじゃアないか知ら、
先刻
(
さっき
)
彼所
(
あすこ
)
を通り掛ったのは
武士
(
さむらい
)
と思ったのが狐か何かで私を
化
(
ばか
)
したのじゃアないか知らん、私がお鳥目を欲しいと思う其の気を
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
全く怪物に
化
(
ばか
)
されたものか、但しは其の商人が怪物で、私に無駄骨を折らせたものか、
何方
(
どっち
)
が
何
(
ど
)
うとも今に分らぬけれども、何方にしても不思議な事で、私も
流石
(
さすが
)
に薄気味が悪くなって
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仲人
(
なかうど
)
の佐野屋さん御夫婦と番頭の太兵衞が附いて、馬で送つた三千兩が品川の大黒屋に着いて、奧へ持つて行つて開くと、砂利になつて居たさうで——狐に
化
(
ばか
)
されたのなら木の葉になります。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よし/\それでは
狐
(
きつね
)
に
化
(
ばか
)
された話をせう。」
狐に化された話
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
太郎「おぢさん
狐
(
きつね
)
は
化
(
ばか
)
しませんか」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
尚
(
なお
)
追掛けて出ると、
這
(
こ
)
は如何に、拙者が
化
(
ばか
)
されていたのじゃ、
茅屋
(
あばらや
)
があったと思う処が、
矢張
(
やっぱり
)
野原で、
片方
(
かた/\
)
はどうどうと
渓間
(
たにま
)
に水の流れる音が聞え、片方は恐ろしい
巌石
(
がんせき
)
峨々
(
がゞ
)
たる山にして
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こん畜生!
武士
(
さむらい
)
を
化
(
ばか
)
さうなどゝは
怪
(
け
)
しからぬと、叔父も酒の勢ひ、腰なる刀をひらりと抜く。これを見て狐は逃げた。吉田は眼を
摩
(
こす
)
りながら「あゝ、
睡
(
ねむ
)
かつた……。」それから
後
(
のち
)
は何事も無い。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ナニ
三俵
(
さんだら
)
ポツチでも
被
(
かぶ
)
つて
摺小木
(
すりこぎ
)
でも
差
(
さ
)
して
往
(
ゆ
)
きませう。「
可笑
(
をか
)
しいな、
狐
(
きつね
)
にでも
化
(
ばか
)
されたやうで。金「ナニ
構
(
かま
)
やアしませぬ。「ぢやア
何分
(
なにぶん
)
頼
(
たの
)
むよ。金「へい
宜
(
よろ
)
しうがす。「お
寺
(
てら
)
は
何所
(
どこ
)
だい。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“化”の解説
化(か)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
化
常用漢字
小3
部首:⼔
4画
“化”を含む語句
化粧
変化
道化
變化
教化
化物
孵化
所化
文化
道化師
消化
薄化粧
造化
化学
勧化
化膿
化生
化鳥
道化役
化転
...