“道化”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どうけ58.2%
だうけ16.5%
どけ15.2%
おどけ2.5%
ファルス2.5%
ピエロ1.3%
おど1.3%
どうげ1.3%
ピエロオ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、いつも人をびあつめるこっけいな道化どうけたあいさつとは、まるっきりちがった調子ちょうしでした。見物人けんぶつにんたちはへんな気がしました。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
金十郎は今まで一肌脱ぎで道化だうけの銅作といふ三十男を相手に晩酌をやつてゐたのも忘れたやうに、こんな神妙なことを言ふのです。
庶民に向ったら、どんなにこわい顔のはばを見せるだろうと思いやられる重秀であったが、多分にお道化どけもして見せられる半面の持ち主だった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「冗談じゃない」法水は道化おどけたようななにげない身振をしたが、その顔にはいつもの幻滅的な憂鬱が一掃されていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
笑いはなみだより内容の低いものとせられ、当今は、喜劇コメディというものが泪の裏打ちによってのみ危く抹殺まっさつまぬかれている位いであるから、道化ファルスの如き代物しろもの
FARCE に就て (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
たとえ過失にもせよ、あきらかに殺人事件だから、道化ピエロの死体とともに、劇団「笑う妖魔」一座の者は、その場から警視庁へ連行された。
劇団「笑う妖魔」 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
可憫そうなチャンチャン坊主は、故意に道化おどけて見物の投げた豆を拾い、猿芝居のように食ったりした。それがまた可笑おかしく、一層チャンチャン坊主のあわれを増し、見物人をよろこばせた。
さうしてこの一さわぎのあとから、また久闊ひさしぶりに清らかな水は廢市に注ぎ入り、樂しい祭の前觸まへぶれが、異樣な道化どうげの服裝をして、喇叭を鳴らし拍子木を打ちつゝ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
女装をした男や男装の女の多いのは勿論、すこぶふるつた仮装行列や道化ピエロオ沢山たくさんに出た。男女なんによの大学生が東洋諸国の風俗に扮して歩いて居るのも見受けた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)