“おどけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
滑稽62.1%
道化6.9%
戯言6.9%
戯氣3.4%
戯謔3.4%
戲言3.4%
戲談3.4%
放氣3.4%
詼謔3.4%
諧謔3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宿に歸ると、否でも應でもお芳の滑稽おどけた顏を見ねばならぬ。ト、其何時見ても絶えた事のない卑しい淺間しい飢渇の表情が、直ぐ私に
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
痘痕あばただらけの、蟹の甲羅のやうな道化おどけた顔をして、白墨チヨオクの粉の着いた黒木綿の紋付に裾短い袴を穿いた——それが真面目な、教授法の熟練な教師として近郷に名の知れてゐる
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
随分ころりと来るであろう、きさまのろけた小蝶こちょうさまのお部屋ではない、アッハハハと戯言おどけを云えばなお真面目に、木槵珠ずずだまほどの涙を払うその手をぺたりと刺身皿さしみざらの中につっこみ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なし恩をせ置思ひを遂んと心の中に目算もくさんなし忽ちおこ煩惱ぼんなういぬよりもなほ眼尻めじりを下げお光殿にも可愛かあいさうにわかい身そらで後家になられ年増盛としまざかりををしい物と戯氣おどけながら御子息道之助殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「や、たつぷん、ちやつぽん。」と松さんは、戯謔おどけて口真似した。そして「可愛かはいらしい音だなァ。」といつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
ひげをひねつておまへ此子このこ可愛かあいいかとおつしやいました、當然あたりまへ御座ございます、とてつんといたしてりますと、それではおまへ可愛かあいいなといつも戲言おどけおつしやつて、高聲たかごゑ大笑おほわらひをあそばしたそのかほ
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一人もらたくのぞみと云ふは他ならず何事も拔目ぬけめなく實家の立派なる持參金の澤山たくさんある養子なりなどと云ひ又奉公人が風邪かぜでも引てると人と入物いれものは有次第なり米がいらなくてよいなどと戲談おどけにも云ふ程の吝嗇りんしよくれば養子の周旋せわ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かけながら入來りしに長八夫婦が巨燵こたつの中に差向さしむかひ何かむつまじき咄しの樣子ゆゑ長兵衞は見て是はしたり相惚あひぼれの夫婦はまた格別かくべつたのしみな物私は此年になつても隨分ずゐぶん浦山うらやましいと放氣おどけまじりに贅口むだぐち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは詼謔おどけでなく、ベダイ人の癖として、友と離るるよりは好んで父母を質に渡す。
我我われわれは何がな夜間の就寝じゆしんまでの時間を費す娯楽を欲して居る。ある晩近江医学士が偶然専門である婦人科の話を諧謔おどけ交りに述べ出すと奇怪な質問が続出してたがひおとがひを解いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)