“痘痕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あばた75.9%
とうこん12.1%
いも5.2%
みつちや5.2%
アナ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、その声が呼んだかのように、土蔵の口へ現われたのは、顔に醜い薄痘痕あばたのある、蔵番らしい男であったが、手に匕首あいくちを握っている。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たちまち一種の恐怖に襲われて目をくと、痘痕とうこんのまだ新しい、赤く引きった鉄の顔が、触れ合うほど近い所にある。五百は覚えずむせび泣いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
以上の文句の通りに軽々と疱瘡痲疹の大厄を済まして芥子けしほどの痘痕いもさえ残らぬようという縁喜が軽焼の売れた理由で
己らの言ふが何故なぜをかしからう、奇麗な嫁さんを貰つて連れて歩くやうに成るのだがなあ、己らは何でも奇麗のが好きだから、煎餅せんべいやのお福のやうな痘痕みつちやづらや
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひきずりみっちゃは、痘痕アナの続いてゐる旁若無人なあばた面を言ふ。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)