“大痘痕”の読み方と例文
読み方割合
おおあばた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……この大痘痕おおあばたばけものの顔が一つ天井から抜出ぬけだしたとなると、可恐おそろしさのために一里ひとさと滅びようと言ったありさまなんです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道場の前を通って、下男部屋を覗くと、大痘痕おおあばたの熊吉が、庭の掃除をすませ、手焙てあぶりを股火鉢にして、これだけは贅沢ぜいたくらしい煙草をくゆらせております。
兄弟同時にした疱瘡ほうそうが、兄は軽く、弟は重く、弟は大痘痕おおあばたになって、あまつさえ右の目がつぶれた。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)