“黒痘痕”の読み方と例文
読み方割合
くろあばた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君がいわゆる実家さと話柄こととて、喋舌しゃべる杢若の目が光る。と、黒痘痕くろあばたまなこも輝き、天狗、般若、白狐の、六箇むつの眼玉もかッとなる。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誰も、富士も三保の松もながめちゃあいない。気まぐれに、舞を見るものも、ごま点と首ッぴきだから、天人の顔は黒痘痕くろあばたさ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渋紙した顔に黒痘痕くろあばたちりを飛ばしたようで、とんがった目の光、髪はげ、眉薄く、頬骨の張った、その顔容かおかたちを見ないでも、夜露ばかり雨のないのに、その高足駄の音で分る、本田摂理せつりと申す
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)