“くろあばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒痘痕66.7%
黒痘瘡33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君がいわゆる実家さと話柄こととて、喋舌しゃべる杢若の目が光る。と、黒痘痕くろあばたまなこも輝き、天狗、般若、白狐の、六箇むつの眼玉もかッとなる。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誰も、富士も三保の松もながめちゃあいない。気まぐれに、舞を見るものも、ごま点と首ッぴきだから、天人の顔は黒痘痕くろあばたさ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渋紙した顔に黒痘痕くろあばたちりを飛ばしたようで、とんがった目の光、髪はげ、眉薄く、頬骨の張った、その顔容かおかたちを見ないでも、夜露ばかり雨のないのに、その高足駄の音で分る、本田摂理せつりと申す
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
従七位の摂理の太夫は、黒痘痕くろあばたしわゆがめて、苦笑にがわらいして
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眉が薄く、鼻がひしゃげて、ソレその唇の厚い事、おまけに頬骨がギシと出て、歯をむとガチガチと鳴りそう。左の一眼べとりとい、右が白眼しろまなこで、ぐるりとかえった、しかも一面、念入の黒痘瘡くろあばただ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)