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痘痕
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いも
ふりがな文庫
“
痘痕
(
いも
)” の例文
以上の文句の通りに軽々と疱瘡痲疹の大厄を済まして
芥子
(
けし
)
ほどの
痘痕
(
いも
)
さえ残らぬようという縁喜が軽焼の売れた理由で
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
年は四十ばかりで、
軽
(
かろ
)
からぬ
痘痕
(
いも
)
があッて、口つき鼻つきは尋常であるが、左の
眼蓋
(
まぶた
)
に
眼張
(
めっぱ
)
のような
疵
(
きず
)
があり、見たところの
下品
(
やすい
)
小柄の男である。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
うす
痘痕
(
いも
)
のある顔は、
顴骨
(
くわんこつ
)
ばかり
露
(
あらは
)
に痩せ細つて、皺に囲まれた唇にも、とうに血の気はなくなつてしまつた。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
うす
痘痕
(
いも
)
の浮んでゐる、どこか
蝋
(
らふ
)
のやうな小さい顔、遥な空間を見据ゑてゐる、光の
褪
(
あ
)
せた瞳の色、さうして
頤
(
おとがひ
)
にのびてゐる、銀のやうな白い
鬚
(
ひげ
)
——それが皆人情の冷さに
凍
(
い
)
てついて
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
痘
常用漢字
中学
部首:⽧
12画
痕
常用漢字
中学
部首:⽧
11画
“痘痕”で始まる語句
痘痕面
痘痕志士