“顴骨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんこつ63.6%
くわんこつ18.2%
けんこつ9.1%
ほおぼね3.0%
ほほぼね3.0%
カンコツ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
栄介は憮然として顴骨かんこつのあたりを押えた。城介も顴骨が出ていたが、栄介もそうだ。近頃痩せたと見え、ことにそれが目立つ。
狂い凧 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
私がやつと湿つぽい蒲団から首を出すと、「高等乞食」は、その顴骨くわんこつが突出た顔を私とおみくじ屋とへかはるがはる向けて
大凶の籤 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
眼の大きく見えるのは、肉の落ちてゐるからであらう。左の頬にある大きな黒子ほくろは、その時でもはつきり見えた。その上顴骨けんこつが高い。
孤独地獄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼はかなり背が高くて、生き生きとした顔に、顴骨ほおぼねが広く、聡明らしい注意深い眼は細くて鳶色とびいろをしている。
顴骨ほほぼねの高い、疲労の色を湛へた、大きい眼のどんよりとした顔に、唇だけが際立つて紅かつた。其口が例外なみはづれに大きくて、欠呻あくびをする度に、鉄漿おはぐろの剥げた歯が醜い。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
顴骨カンコツが高い角丸の、眼の大きくない顔で、よく往来を歩いていました。沙漠に生える蕁草いらくさのように背の低いがっちりさです、かたくて。