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顴骨
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くわんこつ
ふりがな文庫
“
顴骨
(
くわんこつ
)” の例文
私がやつと湿つぽい蒲団から首を出すと、「高等乞食」は、その
顴骨
(
くわんこつ
)
が突出た顔を私とおみくじ屋とへかはるがはる向けて
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
うす
痘痕
(
いも
)
のある顔は、
顴骨
(
くわんこつ
)
ばかり
露
(
あらは
)
に痩せ細つて、皺に囲まれた唇にも、とうに血の気はなくなつてしまつた。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
板のやうな掛蒲団を
袷
(
あはせ
)
の上に
被
(
かぶ
)
つて
禿筆
(
ちびふで
)
を噛みつゝ原稿紙に
対
(
むか
)
ふ日に焼けて
銅
(
あかゞね
)
色をしたる頬の
痩
(
やつ
)
れて
顴骨
(
くわんこつ
)
の高く現れた神経質らしい
仝
(
おな
)
じ
年輩
(
としごろ
)
の男を冷やかに見て
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
それは
氣性者
(
きしやうもの
)
によくある線の堅さから來る感じで、二十八の豊滿な大年増、鼻も
顴骨
(
くわんこつ
)
も高く
顎
(
あご
)
が開いて、決して
醜
(
みにく
)
いといふ程でなくとも好感の持てる顏ではありません。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人は
取組合
(
とつくみあ
)
つた。八は酒で体を悪くしてからは、余り力が出ない。又別当太吉も、色の白い、鼻と
顴骨
(
くわんこつ
)
と
腮
(
あご
)
とが顔に四箇の突角を形づくつてゐる男で、これも余り強くはない。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
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顏も
顴骨
(
くわんこつ
)
が稍出張つてゐるのが疵であるが、眉や目の間に才氣が溢れて見える。伊織は武藝が出來、學問の嗜もあつて、色の白い美男である。只此人には肝癪持と云ふ病があるだけである。
ぢいさんばあさん
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“顴骨”の意味
《名詞》
顴骨 (かんこつ、けんこつ)
ほおぼね。
(出典:Wiktionary)
顴
漢検1級
部首:⾴
26画
骨
常用漢字
小6
部首:⾻
10画