“じやうだん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ジヤウダン
語句割合
戯談37.5%
串戯12.5%
上段10.7%
串談8.9%
常談8.9%
戯謔3.6%
戲談3.6%
謔語1.8%
上壇1.8%
冗戯1.8%
戯譃1.8%
戲言1.8%
笑談1.8%
謔談1.8%
雑談1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老人は戯談じやうだんのやうに哄笑したが、しかし僕はそのなかに戯談とは違つた一種の情熱を見てとつたやうに思つた。それから妙な焦慮を。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
あらはせて此室こゝびたしとおほせられたに相違さうゐはなしかくあがりなされよと洗足すゝぎまでんでくるゝはよも串戯じやうだんにはあらざるべしいつはりならずとせばしんもつ奇怪きくわい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「こちらが上段じやうだんといつて殿樣がお泊りになつたお部屋です。それからあちらがお小姓の間で……」
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
馬鹿ばかさわぎもせねば串談じやうだんも三ちやんのやうではけれど、人好ひとずきのするは金持かねもち息子むすこさんにめづらしい愛敬あいけうなん御覽ごらんじたか田中屋たなかや後家ごけさまがいやらしさを、あれでとしは六十四
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人の好い禿げ頭の総代役はかう常談じやうだんなどもつけ加へた。それを又若い小学教員は不快さうにじろじろ眺めたりした。
一塊の土 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
二名にめい水兵すいへい仲間なかま一群ひとむれ追廻おひまはされて、憘々きゝさけびながら逃廻にげまわつた。それは「命拾いのちひろひのおいわひ」に、拳骨げんこつひとづゝ振舞ふるまはれるので『これたまらぬ』と次第しだいだ。勿論もちろん戯謔じやうだんだが隨分ずいぶん迷惑めいわくことだ。
戲談じやうだんぢやない、まだ眞暗ぢやないか!」
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
謔語じやうだんのつもりで言つたことは眞實ほんたうに成つて來た。實際、菜の花が咲いて居た。青草は地面ぢべたから頭を持上げて居た。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
謔語じやうだんの積りで言つて見て、私は眩暈めまひを紛さうとしたが、何となく底の知れない方へ引入れられるやうな氣がした。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
が、てよ。……玄關口げんくわんぐちで、躑躅つゝじ鉢植はちうゑ吃驚びつくりするやうでは——がらだからとほしはしまいが——上壇じやうだんで、金屏風きんびやうぶで、牡丹ぼたんると、をまはすに相違さうゐない。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おれは無邪気な冗戯じやうだんつもりで
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「オヽイ、馬丁さん、早くしてお呉れよ、からだがちぎれて飛んで仕舞しまひさうだ——戯譃じやうだんぢやねえよ」と、車のうちなる老爺おやぢ鼻汁はなすゝりつゝ呼ぶ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
大道で乞食! これは、義雄自身には痛切な發想であつたが、勇には戲言じやうだんと見えたのだらう、渠は不審らしく發想者の顏を見た。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
笑談じやうだんぢやない。用があるなら、後で行くから……え。眞實ほんとうだ。急ぎなんだから、勘辨しておくんねえ。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「君が死んだら、追悼會をしてやるサ。」と私は謔談じやうだん半分に言つた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
雑談じやうだんだ。雑談を真に受ける奴があるものか。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)