串戯じやうだん)” の例文
旧字:串戲
串戯じやうだんはよして、些細さゝいことではあるが、おなじことでも、こゝは大力だいりきい。強力がうりき、とふと、九段坂だんざかをエンヤラヤにこえてひゞきわるい。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あらはせて此室こゝびたしとおほせられたに相違さうゐはなしかくあがりなされよと洗足すゝぎまでんでくるゝはよも串戯じやうだんにはあらざるべしいつはりならずとせばしんもつ奇怪きくわい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
串戯じやうだんツちやいけぬとおもひながら『一個ひとつ千兩せんれうでもふよ』とわらふてこたへると、親分おやぶんがそれを打消うちけして。
串戯じやうだんは串戯だが、お糸さんはまだないの、」と私は詞を改めた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
串戯じやうだんはよして、私が新しい物に初めて接したやうな考へをしたのは、春廼家はるのやさんの妹と背かゞみで、其のころ書生気質は評判でありましたけれども、それは後に読みました。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お糸さんが来ると四人が揃つて口口に串戯じやうだんを云つた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
イ、はじめるぞ、はゝゝはゝ駆競かけつくらのやうだの。なに前後あとさきかまひごとはねえだよ。お前様めえさま串戯じやうだんごとではあんめえが、なんでも仕事しごとするには元気げんきかぎるだで、景気けいきをつけるだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
串戯じやうだんはよして貰はう。私は本気になつてるんだ。」
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「まあ、串戯じやうだんかつせえ。……とき坊様ばうさまなんふでがすね。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)