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じやうだん
ふりがな文庫
“
戯談
(
じやうだん
)” の例文
旧字:
戲談
何時
(
いつ
)
から消えたんだい。おい、シイ坊……
戯談
(
じやうだん
)
ぢやないぜ……。(寝台に近づかうとして、そこに倒れてゐる女のからだにつまづく)
クロニック・モノロゲ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
老人は
戯談
(
じやうだん
)
のやうに哄笑したが、しかし僕はそのなかに戯談とは違つた一種の情熱を見てとつたやうに思つた。それから妙な焦慮を。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「
先生
(
せんせい
)
さん
戯談
(
じやうだん
)
いつて、なあにわしや
爺樣
(
ぢいさま
)
に
打
(
ぶ
)
たれたんでさ」
勘次
(
かんじ
)
は
只管
(
ひたすら
)
に
醫者
(
いしや
)
の
前
(
まへ
)
に
追求
(
つゐきう
)
の
壓迫
(
あつぱく
)
から
遁
(
のが
)
れようとするやうにいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
三十五六の、齢の割に頬の
削
(
こ
)
けて血色の悪い顔、口の
周匝
(
まはり
)
を囲むやうに下向きになつた薄い髭、濁つた力の無い
眼光
(
まなざし
)
——「
戯談
(
じやうだん
)
ぢやない。これでも若い気か知ら。」
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
若い男や女に交つて、後で考へると我ながら気恥しく思ふ様な
洒落
(
しやれ
)
や
戯談
(
じやうだん
)
をも平気で言つたりした。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
▼ もっと見る
真面目を守本尊にして、
驀地
(
まつしぐら
)
に進む形はまだ対世間である。決して絶対ではない。真面目は笑や、
戯談
(
じやうだん
)
や、滑稽や、さういふものゝ中からも捜し出して来られるやうでなければいけない。
解脱非解脱
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
『
戯談
(
じやうだん
)
いふな。三千メートルのまつたゞ
中
(
なか
)
だぞ。
辛棒
(
しんぼう
)
しろ、
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
いやつだ。』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
あなたの
傍
(
そば
)
へ寄ると鼠の
香
(
にほ
)
ひがしますよなどと男が
戯談
(
じやうだん
)
を云ふと云ふ事である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
誰も
戯談
(
じやうだん
)
にして取合はないし、女など居ないでも、さう淋しくないが、その内、恋人でもできて、矢張り、独身は、本当だつた、それなら、と後悔する人の無いやうに、
序
(
ついで
)
ながら、広告しておく
貧乏一期、二期、三期:わが落魄の記
(新字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
ハハハ、さう怒られては、
談話
(
はなし
)
が出来ぬ。今のは、ほんの
戯談
(
じやうだん
)
さ。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
百合子は、
戯談
(
じやうだん
)
らしく胸を張つて滝本に握手を求めた。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
『
何
(
なに
)
、
來世
(
らいせい
)
。
戯談
(
じやうだん
)
を
云
(
い
)
つちや
可
(
い
)
けません。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
卯一郎 (なほも、否定的な微笑を続け)手遅れ? 見込がない……? (甚だ不自然な笑ひ声をたてる)
戯談
(
じやうだん
)
でなく、先生……。
医術の進歩
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「さうよ、
俺
(
お
)
らこつちのおとつゝあと
同年齡
(
おねえどし
)
だつけな」
彼
(
かれ
)
は
自身
(
じしん
)
の
創意
(
さうい
)
ではなくて
何處
(
どこ
)
かで
聞
(
き
)
いた
記憶
(
きおく
)
を
其
(
そ
)
の
儘
(
まゝ
)
反覆
(
はんぷく
)
してさうして
戯談
(
じやうだん
)
を
敢
(
あへ
)
てした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
とお藤さんは薄笑ひを浮べながら
戯談
(
じやうだん
)
に、「あんた一度、知らん顔して買ひに行つてお見やす。」
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
其処
(
そこ
)
では田舎にめづらしい海の魚が食へた。赤い帯を
締
(
し
)
めて
戯談
(
じやうだん
)
を言ふ女も大勢居た。藩の
好
(
い
)
い家柄の
子息
(
むすこ
)
で女房子がありながら、
此処
(
ここ
)
でさういふ女に
溺
(
おぼ
)
れて評判に立てられたこともあつた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『
戯談
(
じやうだん
)
ぢやない。それより何です、面白い話といふのは?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さういふ中で、年も年でございましたけれど、わたくしだけには、誰一人、
戯談
(
じやうだん
)
を云ひかけるものもございませんでした。
顔
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「
酒
(
さけ
)
そつちの
方
(
はう
)
へたんと
掛
(
か
)
けねえで
貰
(
も
)
れえてえな」
兼
(
かね
)
博勞
(
ばくらう
)
はけろりとした
容子
(
ようす
)
をして
戯談
(
じやうだん
)
をいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何かありさうなものだと思つて、丁寧に探して見たが、そこには人から聞いた馬鹿話しか、普通に
戯談
(
じやうだん
)
にいふ笑ひ話以上に何物もない。男女のことだつて、さう大して深く知つてゐるとは思へない。
三月の創作
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
戯談
(
じやうだん
)
は別として、ラウちやんは、ほんとに行つてしまつたのかなあ……。あの、お得意の鼻唄が、まだ耳に残つてるわ。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
戯談
(
じやうだん
)
のやうにしてそれを
外
(
はづ
)
して
犬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
「
戯談
(
じやうだん
)
ぢあないわ、これは、みんな拾円札よ」つて、あたしが、それこそいくら云つても、きかないんですよ。
雅俗貧困譜
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
とま子
戯談
(
じやうだん
)
だわ。そんなに、はつきり物が云へるぢやないの。顔色だつてどうもないし……。
医術の進歩
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
でも、そん時、あの人の眼を見なかつたら、あたしは、まだ、
戯談
(
じやうだん
)
ぐらゐに思つたでせう。そら、やつぱり、あの眼なのよ。あたしは、ハッとして、力
委
(
まか
)
せに、手を振り放したの。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
印刷屋
戯談
(
じやうだん
)
云つちやいけない。今度つていふ今度は、大将が承知しませんよ。
雅俗貧困譜
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
なに、それ、死んだ真似? ナンマンダブツ、ナンマンダブツだわ、それこそ……。もう、痛くないんでせう。(顔をのぞき込み)
戯談
(
じやうだん
)
ぢやないわ、
呼吸
(
いき
)
をしてるの、それで……? まあ、驚いた。
医術の進歩
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
談
常用漢字
小3
部首:⾔
15画
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戯談交
戯談好