“巌石”のいろいろな読み方と例文
旧字:巖石
読み方割合
がんせき81.3%
いわお6.3%
がんじゃく6.3%
ガンセキ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
巌石がんせき、がらがらの細谿川ほそたにがわが、寒さに水涸みずがれして、さらさらさらさら、……ああ、ちょうど、あの音、……洗面所の、あの音でございます。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お妻の胸元を刺貫き——洋刀サアベルか——はてな、そこまでは聞いておかない——返す刀で、峨々ががたる巌石いわおそびらに、十文字の立ち腹を掻切かっきって、大蘇芳年たいそよしとしの筆のさえを見よ、描く処の錦絵にしきえのごとく
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから後は秀吉の旗の下に就いて段々と武功を積んだが、ことに九州攻めには、堀秀政の攻めあぐんだ巌石がんじゃくの城に熊井越中守を攻め伏せて勇名をとどろかした。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ワヅかにさす薄光りも、黒い巌石ガンセキが皆吸ひとつたやうに、岩窟イハムロの中に見えるものはなかつた。唯けはひ——の人の探り歩くらしい空気の微動があつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)