河井酔茗
1874.05.07 〜 1965.01.17
著者としての作品一覧
堺へ帰らう(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
「堺へいなう、堺へいなう」 深夜、安土城の庭から 奥の寝室に聞えてくる声 移し植ゑたばかりの 妙国寺の蘇鉄 毎夜のやうに言ふ 信長は手討にしなかつた 「あの蘇鉄を 堺へ帰してやれ」 …
読書目安時間:約1分
「堺へいなう、堺へいなう」 深夜、安土城の庭から 奥の寝室に聞えてくる声 移し植ゑたばかりの 妙国寺の蘇鉄 毎夜のやうに言ふ 信長は手討にしなかつた 「あの蘇鉄を 堺へ帰してやれ」 …
春の詩集(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
あなたの懐中にある小さな詩集を見せてください かくさないで——。 それ一冊きりしかない若い時の詩集。 隠してゐるのは、あなたばかりではないが をりをりは出して見せた方がよい。 さう …
読書目安時間:約1分
あなたの懐中にある小さな詩集を見せてください かくさないで——。 それ一冊きりしかない若い時の詩集。 隠してゐるのは、あなたばかりではないが をりをりは出して見せた方がよい。 さう …
武甲山に登る(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
武甲山は武蔵の一名山である。其山、秩父連山の入口にあたり、而かも山姿高峻、優に秩父連山の群を抜き、遠く武蔵野平原から望んでも、武甲山だけは、著しく天空に聳ええて居る。 武甲山より二 …
読書目安時間:約7分
武甲山は武蔵の一名山である。其山、秩父連山の入口にあたり、而かも山姿高峻、優に秩父連山の群を抜き、遠く武蔵野平原から望んでも、武甲山だけは、著しく天空に聳ええて居る。 武甲山より二 …
山の歓喜(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
あらゆる山が歓んでゐる あらゆる山が語つてゐる あらゆる山が足ぶみして舞ふ、躍る あちらむく山と こちらむく山と 合つたり 離れたり 出てくる山と かくれる山と 低くなり 高くなり …
読書目安時間:約1分
あらゆる山が歓んでゐる あらゆる山が語つてゐる あらゆる山が足ぶみして舞ふ、躍る あちらむく山と こちらむく山と 合つたり 離れたり 出てくる山と かくれる山と 低くなり 高くなり …
山の宿海の宿(新字旧仮名)
読書目安時間:約2分
海辺の旅宿は、潮の香がする。山中の旅宿は苔の香がする。 裏には、貝殻や、魚籠が散乱てゐる。海に近いからであらう。庭には、枯柴や、草籠が片よせてある。山に近いからであらう。 海辺の宿 …
読書目安時間:約2分
海辺の旅宿は、潮の香がする。山中の旅宿は苔の香がする。 裏には、貝殻や、魚籠が散乱てゐる。海に近いからであらう。庭には、枯柴や、草籠が片よせてある。山に近いからであらう。 海辺の宿 …
ゆづり葉(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
子供たちよ。 これは譲り葉の木です。 この譲り葉は 新しい葉が出来ると 入れ代つてふるい葉が落ちてしまふのです。 こんなに厚い葉 こんなに大きい葉でも 新しい葉が出来ると無造作に落 …
読書目安時間:約1分
子供たちよ。 これは譲り葉の木です。 この譲り葉は 新しい葉が出来ると 入れ代つてふるい葉が落ちてしまふのです。 こんなに厚い葉 こんなに大きい葉でも 新しい葉が出来ると無造作に落 …
老境(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
吾老いぬれど 仙家に入らず 茶烟軽く 紅塵の裡に住む 柴門を守るは 吾家の月 竹窓に吹くは 隣家の風 人来れば 迎へて会ふ 人去れば 吾座にもどる 眠り足りて 夢なく 起きて 倦む …
読書目安時間:約1分
吾老いぬれど 仙家に入らず 茶烟軽く 紅塵の裡に住む 柴門を守るは 吾家の月 竹窓に吹くは 隣家の風 人来れば 迎へて会ふ 人去れば 吾座にもどる 眠り足りて 夢なく 起きて 倦む …
“河井酔茗”と年代が近い著者
今月で生誕X十年
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
平山千代子(生誕100年)
今年で没後X百年
大町桂月(没後100年)
富ノ沢麟太郎(没後100年)
細井和喜蔵(没後100年)
木下利玄(没後100年)
富永太郎(没後100年)
エリザベス、アンナ・ゴルドン(没後100年)
徳永保之助(没後100年)
後藤謙太郎(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)