“愚（ばか）” の例文
さうかといつて自分の行く先を馬に訊く事も出来なかつた。特別の場合の外（ほか）は馬は大抵主人よりは愚（ばか）なものと極（きま）つてゐるから。
茶話：03 大正六（一九一七）年 (新字旧仮名) ／ 薄田泣菫(著)
臧は二成が兄のために愚（ばか）にせられたのだろうと思って、二成を兄の所へやって容子を見さした。兄はその時嚢から出した金を几の上にならべて、母とよろこびあっていた。
珊瑚 (新字新仮名) ／ 蒲 松齢(著)
「私は愚（ばか）ぢやありません。」
ジエィン・エア：02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) ／ シャーロット・ブロンテ(著)
何故といつて、馬は士官のやうに制服制帽で人を見分けるやうな愚（ばか）な真似はしないから。
茶話：02 大正五（一九一六）年 (新字旧仮名) ／ 薄田泣菫(著)
「私はなんという愚（ばか）だろう。私はなんという心だったろう。」
珊瑚 (新字新仮名) ／ 蒲 松齢(著)
人間を活（い）かすも殺すも、この世間の思わく一つによることなんだが、もともと人間って奴が妙な生れつきでね。多勢集まると、一人でいる時よりも品が落ちて、とかく愚（ばか）になりやすいんだ。
艸木虫魚 (新字新仮名) ／ 薄田泣菫(著)
「ほんとにあなたは愚（ばか）ですよ。」
珊瑚 (新字新仮名) ／ 蒲 松齢(著)