“おろか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オロカ
語句割合
76.1%
7.2%
愚鈍4.3%
愚昧2.9%
愚魯1.4%
1.4%
魯鈍1.4%
容易0.7%
愚哉0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
迂哉0.7%
迂愚0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他の文芸を知らず、ただ俳句のみを知って、それで他の文芸の長所とする所をも真似まねて見ようとするのはおろかなことではあるまいか。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
おろかな息子も年頃になったので、調布在から出もどりの女を嫁にもろうてやった。名をおひろと云って某の宮様にお乳をあげたこともある女であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
中には頬のあかい、眼付の愛らしい子もあつて、普通の家の小供と些少すこしも相違の無いのがある。中には又、卑しい、愚鈍おろかしい、どう見ても日蔭者の子らしいのがある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼も全く自己おのれを押へて譲れば源太も自己を押へて彼に仕事をさせ下されと譲らねばならぬ義理人情、いろ/\愚昧おろかな考を使つて漸く案じ出したことにも十兵衞が乗らねば仕方なく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
源太は腹に戸締の無きほど愚魯おろかならざれば、猪口をしつけ高笑ひし、何を云ひ出した清吉、寝惚るな我の前だは、三の切を出しても初まらぬぞ、其手で女でも口説きやれ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
素破すは願望のぞみの叶ふとも叶はざるとも定まる時ぞと魯鈍おろかの男も胸を騒がせ、導かるゝまゝ随ひて一室の中へずつと入る、途端に此方をぎろりつと見る眼鋭く怒を含むで斜に睨むは思ひがけなき源太にて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
取戻とりもどして消光度無くらしたくなくてはかなはぬ金子故しうの爲には親をもすてならひ後日に我が首をきらるゝ如きは容易おろかと思ひ道ならぬ事ながぬすみに參りしとありまゝに語りければ彼の男是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
愚哉おろか々々、これ黙らっせえ、たいらの捨吉、なんじ今頃この処にきたって、憎まれ口をきくようじゃあ、いかさまいろがえものと見える。」と説破せっぱ一番して、五助はぐッとまた横啣よこぐわえ
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
得忘れぬ面影にたりとはおろかや、得忘れぬその面影なりと、ゆくりなくも認めたる貴婦人のグラス持てる手は兢々わなわな打顫うちふるひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いつも優くして下さるのはあだおろかな事ぢやないと、私はうれしいより難有ありがたいと思つてゐます。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
我をて宮のうちなる畫堂に入り給ひぬ。美しき畫幀ぐわたうに對して、我がをさなき問、おろかなる評などするを、面白がりて笑ひ給ひぬ。後人々に我詞を語りつぎ給ふごとに、人々皆聲高く笑はずといふことなし。
たとは迂哉おろか。今年如月きさらぎ、紅梅に太陽の白き朝、同じ町内、御殿町ごてんまちあたりのある家の門を、内端うちわな、しめやかな葬式とむらいになって出た。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この迂愚おろかなる旅人が旅宿インを逭れて五日といふ旦暮あけくれは、これなる(かれは首から下げたズダ袋をはたくしぐさをしてみせる)山蟻、あれなる黄蜂の巣、さては天牛虫かみきり、油虫、これに酢模すかんぽ、山独活をそへ
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)