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愚
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おろか
ふりがな文庫
“
愚
(
おろか
)” の例文
弱く
愚
(
おろか
)
なる人で無いことは
確
(
たしか
)
に信ずると篠田さんは言うてでしたよ、——姉さん篠田さんは貴嬢を
斯
(
か
)
くまで
篤
(
あつ
)
く信じて居なさいますよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
他の文芸を知らず、ただ俳句のみを知って、それで他の文芸の長所とする所をも
真似
(
まね
)
て見ようとするのは
愚
(
おろか
)
なことではあるまいか。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
だが、
愚
(
おろか
)
な私は、彼がその時、私以上に何事を悟っていたか、何がかくも彼を興奮させたか、その辺の事には、まるで気がつかなんだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この
頃
(
ごろ
)
は体がだるいと見えてお
惰
(
なま
)
けさんになんなすったよ。いいえ、まるで
愚
(
おろか
)
なのではございません、何でもちゃんと
心得
(
こころえ
)
ております。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こりゃ平太夫、その方が少納言殿の
御恨
(
おうらみ
)
を晴そうと致す心がけは、成程
愚
(
おろか
)
には相違ないが、さればとてまた、神妙とも申されぬ事はない。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
决
(
けつ
)
して
愚
(
おろか
)
なる
船長
(
せんちやう
)
の
言
(
い
)
ふが
如
(
ごと
)
き、
怨靈
(
おんれう
)
とか
海
(
うみ
)
の
怪物
(
ばけもの
)
とかいふ
樣
(
やう
)
な
世
(
よ
)
に
在
(
あ
)
り
得可
(
うべ
)
からざる
者
(
もの
)
の
光
(
ひかり
)
ではなく、
緑
(
りよく
)
、
紅
(
こう
)
の
兩燈
(
りようとう
)
は
確
(
たしか
)
に
船
(
ふね
)
の
舷燈
(
げんとう
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
また、こう乱れた気持で武蔵と剣のあいだに相見ることは、避けるほうが賢明で、当ってゆくのは
愚
(
おろか
)
であると考えたからである。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし私は
愚
(
おろか
)
にもこの結婚を有意義ならしめ出来得る限り愛と力とをこの中に見出して行きたいと期待し、かつ努力しようと決心しました。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
二十餘年の御恩の程は申すも
愚
(
おろか
)
なれども、何れ
遁
(
のが
)
れ得ぬ因果の道と
御諦
(
おんあきらめ
)
ありて、
永
(
なが
)
の
御暇
(
おんいとま
)
を給はらんこと、時頼が
今生
(
こんじやう
)
の願に候
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
彼我に、あゝ
愚
(
おろか
)
なる人々よ、汝等を躓かすは何等の無智ぞや、いざ汝この事についてわがいふところのことを含め 七〇—七二
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
況
(
まし
)
て市郎は、
最初
(
はじめ
)
から
彼
(
か
)
のお葉という女を意中は
愚
(
おろか
)
、眼中にも置いて居なかったのであるが、今日の一件に出逢って
聊
(
いささ
)
か意外の感を
作
(
な
)
した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その
自
(
みずか
)
ら
感
(
かん
)
じた
不愉快
(
ふゆかい
)
のこと、
愚
(
おろか
)
な
人々
(
ひとびと
)
が
自分
(
じぶん
)
を
狂人視
(
きょうじんし
)
しているこんな
町
(
まち
)
から、
少
(
すこ
)
しでも
出
(
で
)
て
見
(
み
)
たらば、とも
思
(
おも
)
うのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
どこの級にも、
頓智
(
とんち
)
があってたいへん口が軽く、気の利いたことを言っては皆を笑わせることの好きな
愚
(
おろか
)
な生徒が一人や二人はあるものです。
大きな蝙蝠傘
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
みんなが無表情な
愚
(
おろか
)
な目付きをしていた。そうしてまるで凍えかかった魚のように赤や黄や青のドロップをしきりに嘗めた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
たとえば
手拭
(
てぬぐい
)
はどう持つものとか、尺八はどう
揷
(
さ
)
すとか、帯はいかに結ぶとか、語尾はいかに発音するかというがごとき、
愚
(
おろか
)
なことではあるが
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
辰男は幾度も
嚔
(
くさめ
)
をした。寒さに
堪
(
た
)
えられなくなるし、妹の
愚
(
おろか
)
な言草に興も起らないので、言葉の切れ目にその側を離れて、自分の寝床へ入った。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
深く時勢に感ずる所があったと見えて、平素学生に向っては、今の世の中に漢文学の如き死文字を学ぶほど
愚
(
おろか
)
な事はない。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
町人は剃刀を持つた儘、魚のやうな
愚
(
おろか
)
な眼つきをして相手の顔を見た。面師は包みからお
誂
(
あつら
)
への面を取り出した。そして
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
決
(
けつ
)
して
快
(
こゝろ
)
よく
解決
(
かいけつ
)
される
筈
(
はず
)
でないことを
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る
人々
(
ひとびと
)
は
幾
(
いく
)
ら
愚
(
おろか
)
でも
自
(
みづか
)
ら
好
(
この
)
んで
其
(
そ
)
の
難局
(
なんきよく
)
に
當
(
あた
)
らうとはしないのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
受持ちを聞いてみると別段むずかしい事もなさそうだから承知した。このくらいの事なら、明後日は
愚
(
おろか
)
、
明日
(
あした
)
から始めろと云ったって驚ろかない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
富めるものはおほく
愚
(
おろか
)
なりといふは、
晋
(
しん
)
の
三七
石崇
(
せきそう
)
唐の
三八
王元宝
(
わうげんぱう
)
がごとき、
三九
豺狼
(
さいらう
)
蛇蝎
(
じやかつ
)
の
徒
(
ともがら
)
のみをいへるなりけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
横眼で
睨
(
にら
)
んでは
舌舐
(
したねぶ
)
りをする(文三は何故か昇の妻となる者は必ず
愚
(
おろか
)
で醜い代り、権貴な人を親に持った、
身柄
(
みがら
)
の善い婦人とのみ思いこんでいる)
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ところが
家來
(
けらい
)
たちは
主人
(
しゆじん
)
の
愚
(
おろか
)
なことを
謗
(
そし
)
り、
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
りに
行
(
ゆ
)
くふりをして、めい/\の
勝手
(
かつて
)
な
方
(
ほう
)
へ
出
(
で
)
かけたり、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
に
引
(
ひ
)
き
籠
(
こも
)
つたりしてゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
生家
(
さと
)
なる
鴫沢
(
しぎさわ
)
にては薄々知らざるにもあらざりしかど、さる
由無
(
よしな
)
き事を告ぐるが如き
愚
(
おろか
)
なる親にもあらねば、宮のこれを知るべき
便
(
たより
)
は絶れたりしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし、見かけほど悲劇的な性格もなく、どこかのん気で
愚
(
おろか
)
なところがあつて、情操的にものを突き詰めては考へられなく、
萍
(
うきくさ
)
の浮いたところがあつた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
自分
(
わし
)
の同門に松浦
愚
(
おろか
)
という少年が居った。こいつは学問は一向
出来
(
でけ
)
ん奴じゃったが、名前の通り愚直一点張りで、勤王の大義だけはチャント心得ておった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
其れはまだ人々が「
愚
(
おろか
)
」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく
軋
(
きし
)
み合わない時分であった。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたくしは誰よりも
愚
(
おろか
)
で、物分りが悪かつたかと存じます。わたくしは有る丈の物を皆使つてしまひました。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
ほんとうにいままで自分は
愚
(
おろか
)
で、教わった原本にないからとて、どの噺のなかでもいっぺんも歌うことなしにきていました。これはとんでもない宝の持ち腐れ。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
しかしそれは問屋が強いる
愚
(
おろか
)
な分類に過ぎない。私はしばしば黒ずんだものに
遥
(
はる
)
かに美しいものを見た。
雲石紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
さては
薄荷
(
はっか
)
菊の花まで今
真盛
(
まっさか
)
りなるに、
蜜
(
みつ
)
を吸わんと飛び
来
(
きた
)
る
蜂
(
はち
)
の羽音どこやらに聞ゆる
如
(
ごと
)
く、耳さえいらぬ事に迷っては
愚
(
おろか
)
なりと
瞼
(
まぶた
)
堅
(
かた
)
く
閉
(
と
)
じ、
掻巻
(
かいまき
)
頭
(
こうべ
)
を
蔽
(
おお
)
うに
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
三田は自分の手の中に、何時迄もその感觸をとゞめて置き度かつたが、もとより
愚
(
おろか
)
な願ひだつた。兒戲に類するとは思ひながら、その手の甲を唇に持つて行つた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
詰
(
つめ
)
て
聞居
(
きゝゐ
)
たり斯くとも知らず
元來
(
もとより
)
お菊は
愚
(
おろか
)
なれば小袖金子を見て
忽
(
たちま
)
ち
心迷
(
こゝろまよ
)
ひ何の
思慮
(
しりよ
)
もなく承知をぞなしたりける又長助は
篤
(
とく
)
と樣子を
聞濟
(
きゝすま
)
し早々又七に右の
事故
(
ことがら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
故に女は男に比るに
愚
(
おろか
)
にて、
目前
(
もくぜん
)
なる
然
(
しかる
)
べきことをも知らず、又人の誹るべき事をも弁えず、我夫我子の災と成るべきことをも知らず、
科
(
とが
)
もなき人を
怨
(
うらみ
)
怒
(
いか
)
り
呪詛
(
のろ
)
ひ
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
現に苦しみつつある我が
愚
(
おろか
)
を
憐
(
あわれ
)
まない訳に行かない。
我
(
われ
)
に千四五百円の余財があらば、こんな所に一日も居やしないが、千四五百の金は予の今日では望外の事である。
大雨の前日
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
それほど大事なものを
失
(
な
)
くするなんて実に
愚
(
おろか
)
な話だが、旅行中は虎の子の信用状や現金の英貨——旅行に持って歩くには、五
磅
(
ポンド
)
乃至十
磅
(
ポンド
)
のいぎりすの紙幣が一番いい。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
この火急の場合に
愚
(
おろか
)
なことを尋ねてはいかん。星は年がら年中空にあるが、日が暮れぬと、われわれの眼には見えんだけのことだ。隕ちたけりゃ、昼だって隕ちるさ。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
斯
(
か
)
う庄馬鹿が言つた。
小児
(
こども
)
のやうに死を畏れるといふ様子は、其
愚
(
おろか
)
しい目付に
顕
(
あら
)
はれるのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しの「エヽ馬鹿な奴のいう事を取上げて余計なことを云わねえが
宜
(
え
)
え、恭太もまた何もいうな……此んな
愚
(
おろか
)
な者のいう事だから、何も
汝
(
われ
)
が小言をいうにゃア及ばねえ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私はかう信ずると共に、
聊
(
いさゝか
)
自ら慰めた。然しながら其反面に於いて、私は父が時勢を洞察することの出来ぬ
昧者
(
まいしや
)
であつた、
愚
(
おろか
)
であつたと云ふことをも認めずにはゐられない。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
わしの様に烈しく恋をした者は此世に一人もゐない程、恋をした——
愚
(
おろか
)
な、
凄
(
すさま
)
じい熱情を以て——わしは寧ろその熱情がわしの心臓をずたずたに裂かなかつたのを怪しむ位である。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
これこそわれから死を求むる、
火取虫
(
ひとりむし
)
より
愚
(
おろか
)
なる
業
(
わざ
)
なれ。
殊
(
こと
)
に
対手
(
あいて
)
は年経し大虎、其方は犬の事なれば、
縦令
(
たと
)
ひ
怎麼
(
いか
)
なる力ありとも、尋常に
噬
(
か
)
み合ふては、彼に
勝
(
かた
)
んこといと難し。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
雛罌粟色
(
ひなげしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
雛形娘
(
ひながたむすめ
)
の
飾紐
(
かざりひも
)
、
雛罌粟色
(
ひなげしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
小
(
ちひ
)
さい
人形
(
にんぎやう
)
のやうに立派なので
兄弟
(
きやうだい
)
の
玩弄
(
おもちや
)
になつてゐる、おまへは
全體
(
ぜんたい
)
愚
(
おろか
)
なのか、
狡
(
こす
)
いのか、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
そして、二三
日
(
にち
)
その
疲
(
つか
)
れの
拔
(
ぬ
)
け
切
(
き
)
らないのに
今更
(
いまさら
)
自分
(
じぶん
)
の
愚
(
おろか
)
さを
悔
(
く
)
いたやうな
始末
(
しまつ
)
だつたが、
支那人
(
しなじん
)
が二
日
(
か
)
も三
日
(
か
)
も
戰
(
たゝか
)
ひつづけて
平氣
(
へいき
)
だといふのは、
一
(
ひと
)
つは
確
(
たしか
)
に
體力
(
たいりよく
)
のせゐに
違
(
ちが
)
ひない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
……そんなことは何うでもいいとして、その手前が何処がよくて惚れたのか、総司に惚れて、討つは
愚
(
おろか
)
、介抱にかかっているからにゃア、
埒
(
らち
)
があかねえ。……お力、総司は俺が今夜斬るぜ!
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
君はそれに手を触れた! 今一息、それでよかったんだ……が君は発見すべく余りに
愚
(
おろか
)
だ。我輩をして一敗地にまみれしむべく、君以上の発見をし得るものはまずない。あわれフランス!
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
○
志
(
こゝろざし
)
は行ふものとや、
愚
(
おろか
)
しき君よ、そは
飢
(
うゑ
)
に
奔
(
はし
)
るに過ぎず。志は
唯
(
たゞ
)
卓を
敲
(
たゝ
)
いて、なるべく
高声
(
かうせい
)
に語るに
止
(
とゞ
)
むべし。
生半
(
なまなか
)
なる志を存せんは、存せざるに如かず、志は飯を食はす事なければなり。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
また妻が信仰放棄を勧むるに会しても「
汝
(
なんじ
)
の言う所は
愚
(
おろか
)
なる女の言う所に似たり、我ら神より
福祉
(
さいわい
)
を受くるなれば
災禍
(
わざわい
)
をも受けざるを得んや」(二の十)と述べて
静
(
しずか
)
に信仰の上に堅立している。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
弟子たち何ぞ
愚
(
おろか
)
しく顔見合すや。「目を挙げて観よ」、田は現に色づきて刈入時となりぬ、東の方狭き谷より
向山
(
むかふやま
)
の頂かけて熟せる麦一面夕日に
黄金
(
こがね
)
の波をうたすを見ずや。あゝ二千年何ものぞ。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
また眠られぬ夜など、自分の耳にひそひそ入って来る声は、
愚
(
おろか
)
な迷信にたより、父の霊魂を引きとめようとして
瀕死
(
ひんし
)
の父の
枕元
(
まくらもと
)
で
喉
(
のど
)
も破れよと父の名を呼んだ、あのあさましい自分の
喚
(
わめ
)
き声である。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
“愚”の意味
《名詞》
(グ)おろかなこと。ばかなこと。
《代名詞》
(グ)自分の謙称。
(出典:Wiktionary)
愚
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“愚”を含む語句
愚痴
愚鈍
愚人
頑愚
愚昧
迂愚
愚物
愚者
愚圖
愚僧
愚父
愚哉
拾遺愚草
愚弄
愚図愚図
愚図
愚図々々
愚癡
痴愚
愚直
...