“向山”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むこうやま37.5%
むかやま18.8%
むかいやま12.5%
むけえやま12.5%
むかひやま6.3%
むかふやま6.3%
むこやま6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
西は西山、東は上野山、南は向山むこうやま、北は藤木山ふじきやまという山で囲まれている山間やまあいの村で、総名そうみょう本沢ほんざわと申して、藤木川、千歳川ちとせがわなどいう川が通っております。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつしかとなごに来ぬらし向山むかやま地震なゐえ土萠えかすみつつ
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やや低く、山の腰にその流をめぐらして、萌黄もえぎまじりの朱の袖を、おもかげの如く宿したのは、つい、まのあたり近い峰、向山むかいやまと人は呼ぶ。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて遠野の町と猿が石川を隔つる向山むけえやまといふ山より、綾織村の続石つづきいしとて珍しき岩のある所の少し上の山に入り、両人別れ別れになり、鳥御前一人はまた少し山を登りしに、あたかも秋の空の日影
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
やゝひくく、やまこしながれめぐらして、萌黄もえぎまじりのしゆそでを、おもかげごと宿やどしたのは、つい、まのあたりちかみね向山むかひやまひとぶ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
弟子たち何ぞおろかしく顔見合すや。「目を挙げて観よ」、田は現に色づきて刈入時となりぬ、東の方狭き谷より向山むかふやまの頂かけて熟せる麦一面夕日に黄金こがねの波をうたすを見ずや。あゝ二千年何ものぞ。
夜は白々と明け離れて、向山むこやまの杉の梢に鴉の啼く声しきり也。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)