“真盛”のいろいろな読み方と例文
旧字:眞盛
読み方割合
まっさか61.1%
まさかり11.1%
まっさかり11.1%
まさか5.6%
まざかり5.6%
まつさかり5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さては薄荷はっか菊の花まで今真盛まっさかりなるに、みつを吸わんと飛びきたはちの羽音どこやらに聞ゆるごとく、耳さえいらぬ事に迷ってはおろかなりとまぶたかたじ、掻巻かいまきこうべおおうに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今はコスモスの真盛まさかりである。濃紅、紅、淡紅、白、庭にも、園にも、畑にも、掃溜はきだめはたにも、惜気もなくしんを見せて思いのまゝに咲きさかって居る。誰か見に来ればよいと思うが、終日誰もぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
池の蓮は真盛まっさかりで、朝風が心地よく吹き渡って、会場には最早大勢の人が集まっていました。乗ってぎ廻らせるために、小舟がつないでありました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
よそでは盛りの少し過ぎた桜もここばかりは真盛まさかりの美しさがあった。廊を廻ったふじも船が近づくにしたがって鮮明な紫になっていく。池に影を映した山吹やまぶきもまた盛りに咲き乱れているのである。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
晶子は葡萄畑のあぜめぐつて色色いろいろの草花を摘んで歩いた。百姓の庭は薔薇ばらの花と桜実さくらんぼとの真盛まざかりである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
うら悲しい思ひと、夕の冷気に襲はれて、思はず身ぶるひを致しました時、白く枯れた萱の葉の音が一しきりさびしく響き渡りました。アヽ、今は冬は真盛まつさかりです。
田舎からの手紙 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)