“兢々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうきょう84.2%
おづ/\5.3%
びくびく5.3%
わなわな5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されば川島家はつねに戒厳令のもとにありて、家族は避雷針なき大木の下に夏住むごとく、戦々兢々きょうきょうとして明かし暮らしぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
中には下層の新平民にくある愚鈍な目付を為乍しなが是方こちらを振返るもあり、中には畏縮いぢけた、兢々おづ/\とした様子して盗むやうに客を眺めるもある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おも下町したまちをあらして歩いたんですが、なにしろ物騒ですから暗い晩などに外をあるくのは兢々びくびくもので、何時いつだしぬけに土手っ腹をえぐられるか判らないというわけです。
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
得忘れぬ面影にたりとはおろかや、得忘れぬその面影なりと、ゆくりなくも認めたる貴婦人のグラス持てる手は兢々わなわな打顫うちふるひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)