“鏡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かがみ64.0%
かゞみ28.1%
きょう1.8%
レンズ1.8%
グラス0.9%
かがみの0.9%
かヾみ0.9%
きやう0.9%
カガミ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると奥さんはふところからかがみを出して、それを千枝ちやんに渡しながら「この子はかうやつて置きさへすれば、決して退屈しないんです」
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
三四郎が半ば感覚を失つたかゞみなかに移すと、かゞみなかに美禰子が何時いつにか立つてゐる。下女がてたと思つた戸がいてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
皎々こうこうとさえ渡りたること玻璃はりきょうのごとき心の面に、糸屋の主人が独身であったという一条と、女の客が多すぎたという一条との二つに不審をおぼえたものでしたから
それよりもをかしいのは、寫眞は、レンズによるのか、といふより撮つてくれる方の眼、または趣味、またはその人の人格——ひつくるめて藝術が現はれる。
私の顔 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
得忘れぬ面影にたりとはおろかや、得忘れぬその面影なりと、ゆくりなくも認めたる貴婦人のグラス持てる手は兢々わなわな打顫うちふるひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
足利蔵人義兼くらんどよしかねかがみの小次郎長清ながきよ、北条小四郎義時よしとき、斎院次官親義じかんちかよし、土肥次郎実平、同じく弥太郎遠平とおひら三浦介義澄みうらのすけよしずみ、同平六義村よしむら、畠山庄司次郎重忠しげただ、長野三郎重清しげきよ稲毛いなげの三郎重成しげなり榛谷はんがえの四郎重朝しげとも
うめ花貝はながひでもひろはせてたまはれとのねがひ、不憫ふびん如何樣どのやう子細しさいあればとて、月花つきはなをかしきさかりのとしに、千人せんにん萬人まんにんすぐれし美色びしよくを、かヾみきからぬかのやううへ他人ひとごとにしてうれしとはかれぬを
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はやく、この十日とをかごろにも、連日れんじつ臆病おくびやうづかれで、るともなしにころがつてゐると、「きやうさんはゐるかい。——なには……ゐなさるかい。」と取次とりつぎ……といふほどのおくはない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
カガミのように明るい軽井沢の家で私は釈迢空にお目にかかれたし、思いがけなく千家元麿の顔もこの外光の中で見られた。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)