“万花鏡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばんかきょう14.3%
ばんくわきやう14.3%
まんかきょう14.3%
まんげきょう14.3%
カレイドスコオプ14.3%
カレエドスコープ14.3%
カレードスコープ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつとはなく、それらの一つ一つの世界を夜毎の夢の様に見尽して、旅人は、最後に渦巻くオーロラと、むせ返る香気と、万花鏡ばんかきょうの花園と、華麗な鳥類と、嬉戯する人間との夢幻の世界に這入るのだ。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
従つてその絵は万花鏡ばんくわきやうのぞく如く、活動写真を観たあとの心象の如く、大顕微鏡下に水中の有機体をけみする如く、雑多な印象が剪綵せんさいせられずに其儘そのまゝ並べられて居るが、印象にはおのづから強弱と明暗があるから
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
万花鏡まんかきょうを一転して、ふと幻怪な花を発見した感じである。
火星の運河 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
清逸の心にある未練を残しつつその万花鏡まんげきょうのような花は跡形もなく消えせた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
万花鏡カレイドスコオプの色彩が、うす紫いろの主調からいきなり鶸萌葱ひわもえぎのそれへ一転したかのやうに、少年の学校生活は、新たな照明のもとに忽然として未知の領域を、少年の眼界にうかびあがらせた。
少年 (新字旧仮名) / 神西清(著)
白金色の反射光のなかで、さまざまな色と容積が、万花鏡カレエドスコープのように眼もあやに寝そべったり動き廻ったりしている。
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
何らの必然性のない万花鏡カレードスコープのような変化は結局本質の空虚を意味する事にもなるのだが、まさか帝展はそうでもあるまい。
帝展を見ざるの記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)