“グラス”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ぐらす
語句割合
洋盃20.0%
酒杯20.0%
13.3%
6.7%
洋盞6.7%
冷凍菓子6.7%
双眼鏡6.7%
6.7%
眼鏡6.7%
高脚杯6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はその眼で、豆のやうなFが私に向いて遥かに洋盃グラスを挙げるのや、私が斯んなに離れてゐるのを難じる雪子が人知れず私に向つて拳を示したのを、見た。
熱い風 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
賜暇しか帰朝中のヴェルトネル駐仏大使らの一団が、葉巻シガーをくゆらして酒杯グラス片手に、賑やかに笑い興じていた。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
電気蓄音機が再び獰猛にフォックス・トロットを唸って、女中はせわしくグラスを運び代えます。
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
得忘れぬ面影にたりとはおろかや、得忘れぬその面影なりと、ゆくりなくも認めたる貴婦人のグラス持てる手は兢々わなわな打顫うちふるひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やがて双眼鏡は貴婦人の手に在りて、くを忘らるるまでにでられけるが、目の及ばぬ遠き限は南に北に眺尽ながめつくされて、彼はこのグラスただならず精巧なるに驚けるさまなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「すまないが戸棚の葡萄酒でも持つて来て下さいな。小さい洋盞グラスを二つと。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
婆やが、洋盞グラスに入れた玉子の半熟に、小さい匙を添へて三人に持つて来た。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
と、ゆうゆうと冷凍菓子グラスをすすっているのは、どうやら子細しさいありげな有様であった。
クリストフは、騒音や眼や自分に向けられてる双眼鏡グラスなどにおびえきって、できるだけ早くピアノのところへ行こうという考えきりもたなかった。そのピアノは海中の小島のように彼には思われた。
しかも雀の涙ほどのウォツカのグラスを見つめながら、この道化者の気狂いじみた興奮を猫脊に微笑んでいるのだった。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
オペラ眼鏡グラスを目にあてて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
キュラソウの高脚杯グラスを唇にあてて、彼女はにこやかに談笑する。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)