“ばい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バイ
語句割合
40.6%
16.0%
10.4%
7.5%
3.8%
黄螺2.8%
2.8%
2.8%
0.9%
0.9%
0.9%
十倍0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
海螺0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
螺貝0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とりわけひだりの手がみぎの手より四すんながかったものですから、みの二ばいもあるつよゆみに、二ばいもあるながをつがえてはいたのです。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
真っ黒ぐろに折り重なった捕手とりての山! 十手の林! しいんとばいをふくんで。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その男が飜訳物の探偵小説にでもある様に、犬の様に四つんばいになって、その辺の地面をまわったものだ。
一枚の切符 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
指導役しどうやくのおじいさんはそんな御愛想おあいそういながら、おし少女しょうじょみずをすすめ、また御自分ごじぶんでも、さもうまそうに二三ばいんでくださいました。
村田清風の詩は、嘉永かえい四年が叔父徳富一義かずよし、小楠翁にばいして天下を周遊するに際し、親しく村田翁に授りたるもの、今や蔵して余の家にり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
溺死者の屍体が二、三日もたって上がると、からだ中に黄螺ばいが附いて喰い散らしていて眼もあてられないという話を聞いて怖気おじけをふるったことであった。
海水浴 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
 大博士に疑問ぎもんをいだく。噴火がかりしょくをはがれ、その火山ばい土壌どじょうたがやす。部下ぶかみなしたがう。
まばらに建ち並んだ長屋の若い者が十二三人、あかりの中に大勢居るうちは、幽霊などは手捕りにして、三ばいにして喰いそうな顔をしておりますが、一人一人の胸の中は
「オ、梅湯か。ム、たいそうかおりがいい、酢味すみもちょうどだ。ところで婆さん、梅っていう字はばいとも書く。楳の意味はまた、媒人なこうどにも通じるッてね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「文字の講釈などいってるんじゃない。おまえをばいと見立てていったんだ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヴァランタンは四つんばいになって、おそろしく細密な職業的な注意を払って、死体の附近二十ヤード四方のくさむらや地面をしらべた。博士も下手ながら英大使もうろうろしながら手伝った。
彼女はそれに返辞もせずに、四つばいになって登りつづけた。二人は木の茂みに引っかかれるのも構わずに、銀色のガスのように谷の上に漂ってる霧の中を横ぎった。
けれども老人ろうじんにはわかっていた。それでまもなくわたしは、これまでの木ぐつの十倍ばいも重たい、くぎを打ったくつをはくことになった。うれしいな。
もとわたし対岸むかうに大きな柳のつて、其処そこ脱衣婆ばあさんて、亡者まうじや衣服きものをふんばいて、六道銭だうせんを取つてましたが、わたしはいけないといふ議論ぎろんがありました
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
千代ちいちやん鳥渡ちよつと見玉みたまみぎから二番目ばんめのを。ハア彼の紅ばいがいゝことねへと余念よねんなくながりしうしろより。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
母様っかさまが御膳が進まんと云う事はきゝましたが全くですか、昨きのうお見舞に出た時、お食は如何いかゞですと申した処が、なに御飯ごはんは三ばいべられて旨いと仰ゃったが、それでは嘘ですか
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やねおほいにし、其家にしとみし、よさゝうにすれば、日中に斗だのばいだのといふ星を見て、大なる光は遮られ、小さなる光はあらはれ、然るべき人は世にかくれ、つまらぬ者は時めき、そして
震は亨る (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
海螺ばいという貝に形が似ているからとも申しましたが、地図には倍岩と書いてあります。これもおおかたもとあった大きさより倍にもなったというので、倍岩といい始めたものだろうと思います。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
費褘ひいの援軍が早く来たのと、ばい方面に蜀兵の配置が充分であったため、たちまち、魏軍を諸所に捕捉して、痛打を加え、特有な嶮路を利用して、さんざんに敵を苦しめたのである。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老夫らうふむしろはしに坐し酒をゑみをふくみつゞけて三ばいきつ舌鼓したうちして大によろこび、さらば話説はなし申さん、我廿歳はたちのとし二月のはじめたきゞをとらんとて雪車そりひきて山に入りしに
ばいでもむかしいま角度かくど幾分いくぶん相違そういしてゐるようですし、赤貝あかゞひでもせんかずすこかはつてゐるといふようなことが、貝塚かひづか貝殼かひがら調しらべてればわかります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
腕白もののとおウ九ツ、十一二なのをかしらに七八人。春の日永に生欠伸なまあくびで鼻の下を伸している、四辻の飴屋の前に、押競饅頭おしくらまんじゅうで集った。手に手に紅だの、萌黄もえぎだの、紫だの、彩った螺貝ばい独楽こま
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鎖縶さしつされて逍遙城しょうようじょうれらるゝや、一日いちじつ帝の之を熟視するにあう。高煦急に立って帝の不意にで、一足いっそくのばして帝をこうし地にばいせしむ。帝おおいに怒って力士に命じ、大銅缸だいどうこうもって之をおおわしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)