ばい)” の例文
そのむかし、この顕家もまだ十四歳の左中将の若者であったころ、北山殿どの行幸みゆきに、花の御宴ぎょえんばいして、陵王りょうおうの舞を舞ったことがある。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村田清風の詩は、嘉永かえい四年が叔父徳富一義かずよし、小楠翁にばいして天下を周遊するに際し、親しく村田翁に授りたるもの、今や蔵して余の家にり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
のちまた数旬をて、先生予を箱根はこねともな霊泉れいせんよくしてやまいを養わしめんとの事にて、すなわち先生一家いっか子女しじょと共に老妻ろうさい諸共もろとも湯本ゆもと福住ふくずみぐうすることおよそ三旬、先生にばいして或は古墳こふん旧刹きゅうさつさぐ
先生は常州じやうしう、水戸の産なり、そのはくみ、そのちうえうす。先生せんせい夙夜しゆくや膝下しつかばい戦々兢々せんせんきようきようたり。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)