“老妻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばばあ22.2%
ろうさい22.2%
おいづま11.1%
おばあ11.1%
かみさん11.1%
おばあさん11.1%
つま11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところがいい塩梅に、うちの老妻ばばあが気をきかせてな、ほやほやの焼麺麭クニーシュにバタをつけたやつを卓子テーブルへだしたので、一座の衆は期せずしてそのまはりへと集まつた。
まま母ははじめから口もださず手もださず、きわめて冷然れいぜんたるものであった。老人は老妻ろうさい冷淡れいたんなるそぶりにつき、二ことことなじるような小言こごとをいうたにたい
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
あぢはひのよろしきろかも老妻おいづまのかしげるものはなべてよろしも
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
湯川うじが硫黄にこりだして、山谷さんやを宿とし、幾年か帰らなくなってから、老妻おばあさんはハタと生活にさしせまった。
「一人息子をあれまで育てて、これからかかろうという矢先にそんな悪い病気にっつかれては……」と老妻かみさんはしみじみと同情した。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
老妻おばあさん歿くなると、老爺おじいさんのあきらめていた硫黄熱がまた燃てきた。
冷えた肩を硬張らせた惣平次は、その、老妻つま背後うしろすがたに眼を凝らして、ちょこなんと、坐ったきりだ。