“冷然”の読み方と例文
読み方割合
れいぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まま母ははじめから口もださず手もださず、きわめて冷然れいぜんたるものであった。老人は老妻ろうさい冷淡れいたんなるそぶりにつき、二ことことなじるような小言こごとをいうたにたい
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかるに、上役うわやくは、冷然れいぜんとして、皮肉ひにくつきで、そのおとこ見下みくだして、命令めいれいします。この場合ばあい、だれがいても無理むりおもわれるようなことでも、おとこは、服従ふくじゅうしなければなりませんでした。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
そういったときの博士のおどろきはどんなであろうかと、僕はそれをしゃべるよりも前から興奮の絶頂ぜっちょうにあったのだが、博士は僕の期待に反して冷然れいぜんとしていた。そしていつもの調子の声でいった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)