“かみさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
女房47.2%
内儀22.2%
主婦11.1%
内儀様2.8%
女将2.8%
女主人2.8%
女亭主1.4%
妻君1.4%
老妻1.4%
内室1.4%
内室様1.4%
家婦1.4%
細君1.4%
細君様1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
降誕祭の用意に腸詰を煮る女房かみさんのやうな満足らしい顔つきで、亡者を焙る悪魔に、厳冬の寒さのこたへるのは不思議でも何でもない。
又「隠してもいけません、そちらの惠梅様というお比丘尼さんは前町の藤屋という荒物屋の七兵衞さんのお内儀かみさんで、お梅さんと云いましょうな」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
加藤の家では主婦かみさんが手伝って小倉と二人がかりであの大きな本箱を二階に持って上って置き場を工夫しているところであった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
粂「ヘエ……えゝ、お内儀様かみさんお嬢様が飛んだ事にお成りあそばしまして、さぞ御愁傷でござりましょう」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
或る料理屋おちゃや女将かみさんが、小間物屋がばらふの櫛を売りに来た時、丁度半纏を着て居た。それで左手をいて、くの字なりになって、右手めてを斜に高く挙げて、ばらふの櫛を取って、透かして見た。
白い下地 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
織匠はたや教父クームが袋へ飛びついて行くと、この家の女主人かみさんも反対がはから掴みかかつたので、もはや逃れ難きを覚つた補祭が、その時、袋の中から這ひ出さなかつたものなら
と声を掛けましたのは、鹿の湯の女亭主かみさんです。源はすすけた障子を開けて、ぬっとあおざめた顔だけあらわしながら
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女亭主かみさんほうけた髪を櫛巻くしまきで、明窓あかりまどから夕日を受けた流許ながしもとに、かちゃかちゃと皿を鳴して立働く。炉辺には、源より先に御輿みこしを据えて、ちびりちびり飲んでいる客がある。二階には兵士の客もある様子。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
白樺しらかばの皮をかべにした殖民地式の小屋だが、内は可なりひろくて、たたみを敷き、奥に箪笥たんす柳行李やなぎごうりなどならべてある。妻君かみさんい顔をして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
此家の主人の病気が、如何に此家の機関を停止して居たかがかる。美的百姓も、くらい気分になった。此家の若主人に妻君かみさんがあったか如何どうか、と辰爺さんに尋ねて見た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「一人息子をあれまで育てて、これからかかろうという矢先にそんな悪い病気にっつかれては……」と老妻かみさんはしみじみと同情した。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「どうも咳嗽せきの出るのが変だと思ってました」と隣りの足袋屋たびや細君さいくんが言った。「どうも肺病だッてな、あの若いのに気の毒だなア。話好きなおもしろい人だのに……」と大家おおや主人あるじ老妻かみさんに言った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ヘイお内室かみさんここへ置きます、お豆腐は流しへ置きますよ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
内室様かみさんへ少々伺いますが、いずれの方かは存じませんが、只今四つの時に別れたと仰しゃいます、その人は本郷丸山あたりで別れたのではございませんか
人差指はその家婦かみさんだ。干鱈ひだらのやうに乾涸ひからびた男まさり、あさつぱらから女中をちどほしだ、けるのだらう、徳利は手を離さない、好きだから。
五本の指 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
火が出ると、間も無く近所に居たと云う、亭主の勝次郎は、駆けつけて来たが、細君かみさんのお時の姿が見えない。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
早速の目配めまぜ、お園の手を取り、行かむとするを、どつこい、ならぬと、遮りて『お前はどこの、細君様かみさんか知らねえが、この女には用がある。行くなら一人で歩みねえ。この女だけ引止めた』
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)