“流許”の読み方と例文
読み方割合
ながしもと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
炉辺ろばたは広かった。その一部分は艶々つやつやと光る戸棚とだなや、清潔な板の間で、流許ながしもとで用意したものは直にそれを炉の方へ運ぶことが出来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
台所の戸の開捨てた間から、秋の光がさしこんで、流許ながしもと手桶ておけ亜鉛盥ばけつひかって見える。青い煙はすすけた窓から壁の外へ漏れる。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こう夫から言付けられて、お雪は一度流許ながしもとへ行って、戻って来た。あおのけに畳の上に倒れている夫の胸は浪打なみうつように見えた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)