老妻かみさん)” の例文
「一人息子をあれまで育てて、これからかかろうという矢先にそんな悪い病気にっつかれては……」と老妻かみさんはしみじみと同情した。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「どうも咳嗽せきの出るのが変だと思ってました」と隣りの足袋屋たびや細君さいくんが言った。「どうも肺病だッてな、あの若いのに気の毒だなア。話好きなおもしろい人だのに……」と大家おおや主人あるじ老妻かみさんに言った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)