女将かみさん)” の例文
旧字:女將
女将かみさんは返事をする準備として、とりあえず取って付けたようにおびえた顔をした。この辺には珍らしく眉を剃って鉄漿おはぐろをつけているからトテモ珍妙だ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
或る料理屋おちゃや女将かみさんが、小間物屋がばらふの櫛を売りに来た時、丁度半纏を着て居た。それで左手をいて、くの字なりになって、右手めてを斜に高く挙げて、ばらふの櫛を取って、透かして見た。
白い下地 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その櫛巻くしまきの肥っちょうづらを見ると思い出した。この女将かみさんは吾輩に度々特種を提供している。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
弱ったな……と悲観しているところへ下宿の女将かみさんが、梯子段の下から顔を出した。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)