女亭主かみさん)” の例文
と声を掛けましたのは、鹿の湯の女亭主かみさんです。源はすすけた障子を開けて、ぬっとあおざめた顔だけあらわしながら
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女亭主かみさんほうけた髪を櫛巻くしまきで、明窓あかりまどから夕日を受けた流許ながしもとに、かちゃかちゃと皿を鳴して立働く。炉辺には、源より先に御輿みこしを据えて、ちびりちびり飲んでいる客がある。二階には兵士の客もある様子。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)