“女中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じょちゅう43.6%
ぢよちう24.8%
ぢよちゆう7.9%
ねえ6.9%
おんな6.9%
おさん1.0%
ゴールニーチナヤ1.0%
メイド1.0%
なかい1.0%
ねえさん1.0%
ねーや1.0%
アーマ1.0%
ニウラ1.0%
バブウ1.0%
バプウ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、「わたしには、ほかの子供こどもたちのように、やさしいおかあさんがないの?」と、たずねていることがよくわかりましたので、女中じょちゅう
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
留守中るゐちうこれは失禮しつれいでした。さいませんので、女中ぢよちうばかり‥‥や、つまらんもの差上さしあげて恐縮きようしゆくしました』と花竦薑はならつきやう下目しためる。
『あゝつ、』といまはしさにはらつて、すはなほして其処等そこらみまはす、とそつ座敷ざしきのぞいた女中ぢよちゆうが、だまつて、スーツと障子しやうじめた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女中ねえや、お手柔てやはらかにたのむぜ。」と先生せんせい言葉ことばしたに、ゑみわれたやうなかほをして、「れた證據しようこだわよ。」やや、とみなかほる。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さしむかいに云うではなし、円髷も附添った、その女中おんなとても、長年の、犬鷹朋輩の間柄、何の遠慮も仔細しさいも無かった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渾名をたこと云って、ちょんぼりと目の丸い、額に見上げじわ夥多おびただしいおんなで、主税が玄関に居た頃勤めた女中おさんどん。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この時、ホテルの廊下の隅の女中ゴールニーチナヤのところでけたたましくベルが鳴った。戸棚の前で、女中は印度の詩人の室に撒く南京虫よけ薬を噴霧器に移した。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「巧いことやれよ。なに相手はたかが女中メイドや。喜んでお前の言ひなりになりよるやろ。デカダンで行け。」
六白金星 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
「いいえ、あすこの、女中なかいさんが、鹿落の温泉でなくなったんです。お藻代もよさんという、しとやかな、優しい人でした。……おじさん、その白い、細いのは、そのお藻代さんの手なんですよ。」
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、灰の白いのにしがみついて、何しろ暖かいものでお銚子ちょうしをとうと、板前で火を引いてしまいました、なんにも出来ませんと、女中ねえさん素気そっけなさ。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女中ねーやはこれから郵便局に、手紙は出しに行つて来ると云ふのでした。
夜汽車の食堂 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
「もし私の留守中にプラタラップさんが見えたらすぐ帰るからお待たせして!」と女中アーマに言い付けて、「お待たせしました。さあ、出掛けましょう」と私を促した。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
私の前の女中ニウラのような十八、九の女が威丈高いたけだかに声をかける。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
女中バブウに市場で買つて來さしたブンガ・スンピンといふ匂ひのいゝ白い花を髮に飾つて、球江がボイルの黒い服を着こむと、ひとかどの女になつたやうな氣取つた氣持ちになつてきて
ボルネオ ダイヤ (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
石油がみだすというだけが取柄の暑苦しい蛮地で、大酒を飲んで昼寝でもするほか、時間のつぶしようがないもんだから、津村は癇癪をおこして剣をぬいて、女中バプウを追いまわしたり
蝶の絵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)